11月も半ばになると、すっかり寒くなってきましたね。コートやマフラーなど衣服の冬支度に加え、暖房器具の使用を始めた方も多いのではないでしょうか。
暖房器具の使用が増える冬場は、火災が増える時期でもあります。また、冬は山火事などの自然火災が増加することでも知られています。なぜ冬場になると火災が発生しやすくなるのでしょうか。その理由と対策について調査してみました。
乾燥した気候
冬は年間を通して最も乾燥した季節です。夏と比較すると湿度が低くなり、地域によっては降水量が減少します。空気が乾燥すると火がつきやすい状況が整い、些細なきっかけでも火災が発生するようになります。また、空気が乾燥していると一度ついてしまった火が消えにくくなります。そのため、冬場の火災は周囲を巻き込む大規模火災へと発展しやすく、大きな被害に繋がります。
全国的な空気の乾燥は、個人レベルで解決するのは難しい問題でもあります。ですから、冬場はいつも以上に火の取り扱いに注意するとともに、火災に繋がりそうな要因を取り除くことが重要になると言えるでしょう。
たき火
寒くなると外で暖をとるために、たき火をする機会が増えますよね。火の温もりを直に感じることができるたき火ですが、冬場に起こる火災原因の一つとなっています。
消防庁の調べによると、平成28年1 月から3 月の間に林野火災が431件発生し、そのうちたき火が出火原因となったのは132件でした。つまり山火事の約3割はたき火が原因で発生しているということですね。さらに、その他火災3438件のうち、520件(15.1パーセント)がたき火を原因とする火災であり、たき火は火災に直結しやすい現状が垣間見えてきます。
たき火による火災を防ぐためには、事前の準備が重要になります。たき火をする時は、周囲に可燃物を置かないようにしましょう。万が一の時に備えて、「バケツに水を準備する」「消火器を準備しておく」ことも忘れないでください。また、空気が乾燥している場所でのたき火は、少しの火の粉が飛んだだけで大規模な火災へと直結します。風が強い日や、乾燥注意報が出ている時のたき火は控えるようにしましょう。
暖房器具による火災
消防庁によると、平成28年1 月から3 月の間に起こった建物火災6116 件のうち、ストーブが原因となったのは622件 (10.2パーセント)でした。冬場に使用頻度が上がる暖房器具は火災に繋がりやすいので、取り扱いには十分注意が必要です。
暖房器具の中でも、火災原因となりやすいのは「ストーブ」と「こたつ」です。ストーブを使う時は、燃えやすい物やスプレー缶など膨張しやすいものを近づけないようにしましょう。ストーブの温風で洗濯物を乾かすという行為をついやってしまいがちですが、火災に直結しかねないので止めましょう。連続した運転もオーバーヒートを誘発するため、数時間に一度はストーブを休ませるようにしましょう。「換気のタイミングでストーブを消す」といった習慣を作っておくと、ストーブを定期的に休ませることにもつながります。
こたつによる火災は、こたつの中に長時間物を入れたままにしたことが原因で発生することが多いです。「こたつの中に洗濯物を入れる」「冷えた食品をこたつであたためる」といった行為は止めましょう。こたつの周囲には、こたつ布団やこたつ敷きなどの可燃物が多くあります。こたつの周りには火がつきやすい環境が整っていることを常に意識し、使わない時には必ず電源を切りましょう。
また、以前購入した暖房器具を慌てて使用している方は、以下の点に注意してください。
・電源コードの状態を確認する
・暖房器具に付着しているホコリをふき取る
暖房器具の点検不良による火災も、冬場の出火原因の一つでもあります。「ちぎれたコードから出火した」「電気ストーブに付着したホコリに火がついた」とならないためにも、使用前には必ず状態を確認しましょう。
まとめ
・冬は乾燥しているため、火災が起きやすい環境が整っている
・たき火は火災に直結しやすい
・暖房器具を使用する時は、洗濯物などの可燃物を周囲に置かない
・以前購入した暖房器具を使用する時は、事前に点検を行う