家庭でできる傷の治療は気軽に行える消毒薬を使って行っていることでしょう。
しかし、このような治療法はかえって傷の治癒を遅めてしまうことから、現在はきれいに洗い流す洗浄法に変わっています。
これは医療機関でも同様の処置が行われています。
傷に付着している細菌や老廃物をきれいに洗い流すことが傷の治りを促進しています。
家庭でもむやみに消毒薬を使うことは避け、水道水を使ってきれいに洗い流すことを意識していきましょう。
擦り傷や切り傷
傷口の洗浄

傷口が泥などで汚れていたら、水道水などできれいに洗い流していきます。
ここで注意したいことは、傷をむやみに開いたり傷の奥に手で触れたりすると、出血をひどくしたり細菌が侵入してしまう場合もあります。
水道水で洗い流したら、傷はきれいな状態を保っていきましょう。
消毒薬があれば傷の周囲を消毒する程度にしましょう。
患部に消毒してしまうと、皮膚の細胞に弊害をもたらすこともあるため、傷の周囲のみにしていきましょう。
清潔なガーゼやハンカチを患部に当てて包帯で固定し、医療機関を受診していきましょう。
家庭でできるラップ療法
どこの家庭にも常備してあるサランラップを使って、傷の手当てをする方法をご紹介していきます。
食品用ラップを使って傷に直接貼付して、その上から体液を吸い取るためのガーゼを当てる方法があります。
サランラップは傷に張り付かず傷自体が乾燥することもないため、広範囲の擦り傷などには便利な方法ともいえます。
しかしながら、ラップ療法は長期に使うことは適しておらず、かえって傷自体を悪化させてしまうこともあります。
そのため、ラップ療法は応急手当時のみに使用していくことが望ましいといわれています。
刺し傷(とげ・釘・釣り針)
とげが刺さったとき
5円や50円玉硬貨の穴の部分をとげが刺さったところに当て、硬貨を押しつけながら毛抜きなどで抜いていきましょう。
釘が刺さったとき
釘を上手に抜いて傷の周囲を消毒して、清潔なガーゼなどを覆って医療機関を受診しましょう。
釘が刺さったときは、化膿して傷を感染させてしまう場合もあるため、傷が小さくても必ず医療機関を受診していくことが大切です。
釣り針が刺さったとき

針先が皮膚を突き抜けているときは、針先か針の根元をペンチなどで切り、切り落とした方を皮膚の中にくぐらせて釣り針を抜いていきましょう。
釣り針が抜きにくいときは、無理やり抜かず医療機関を受診していきましょう。
こうしてみると、家庭でできる傷の応急手当は、どこの家庭にも常備してある何気ない備品や日曜大工用品などが重宝しています。
まとめ
・傷の治療はきれいに洗い流す洗浄法に変わっている
・消毒薬は傷の周囲のみに使うこと
・家庭でできるラップ療法は長期には使えない
・とげが刺さったときは5円や50円玉硬貨が重宝する
・釘が刺さったときは傷の感染に注意する
・日曜大工やちょっとした備品も傷の手当には重宝する