東京消防庁の調査によると、住宅火災の出火原因で最も多いのは「コンロ火災」です。コンロが設置されているキッチンは、火災発生リスクが高い場所と言えるでしょう。
キッチンは毎日使う場所です。そこに潜む火災リスクを正しく理解し、予防に努めましょう。
キッチン火災の原因
キッチン火災とはキッチンで起こる火災のことであり、ガスコンロやその周辺から出火するケースが圧倒的多数を占めています。中でも、「火をかけたまま放置する」「火をかけたことを忘れる」「スマホやテレビなど他のことに気をとられる」といった不注意から発生するケースが多いことがわかっています。
他にも、「コンロ周辺に置いてある可燃物が接触し火災が発生する」「過熱」「誤ってスイッチを入れる」など、誤った使い方によって発生することもあります。
キッチン火災は、誰もがついやってしまいがちなことが原因で発生します。大きな事故を引き起こさないためにも、一人ひとりが注意し予防することで防ぎましょう。
キッチン火災の予防法
火から目を離さない
不注意による火災を防ぐためには、コンロの側から離れず、しっかりと見守ることが大事です。急用によって離れる場合は、火を消してからにしましょう。
コンロの側にいても、火から目を離してはいけません。スマホを見る・テレビを見る・電話をするなど、よそ見をしたり他のことに気を取られたりしないようにしましょう。
IHコンロは、火を使っていないから安全と思いがちですよね。ところが、過熱によって火災を引き起こすことがあります。使用中は側から離れず、見守りましょう。
火災リスクの少ない服装を心がける
キッチン火災では、コンロの火が着ている洋服に着火する、「着衣着火」による火災が発生しています。着衣着火は重度のやけどを負うリスクも高く、注意が必要です。
袖が垂れ下がっている洋服・ゆったりとした衣服は、たゆんだ部分が火に触れてしまうことがあり、着衣着火を起こすリスクが上がります。料理前に着替えるか、燃えにくい素材で作られたアームカバー、もしくはエプロンを着用するようにしましょう。
また、コンロの奥に置いてある調味料や調理器具を取る行為は、衣服と火の距離が近くなりやすく危険です。コンロの奥に物を置かないことで防いでいきましょう。
コンロ周りに物を置かない
料理をするときは、コンロ周辺のすぐに手が届く範囲に物を置いてしまいがちですよね。物が散らかっていると、火が物に燃え移って火災を起こす可能性が高くなります。コンロ周辺はきれいに片付けて、なるべく物を置かないようにしましょう。
ラップの箱、レシピ本、クッキングペーパー、キッチンペーパー、布巾、ミトンなどの可燃物は特に注意が必要です。離れた場所にしまいましょう。
掃除をする
コンロの周辺は毎日使う場所であり、焦げ付き、油汚れなどが付着しています。調理中にこぼれた食材のカスもたまりやすくなっています。これらの汚れが残っていると、そこに火がついて燃え広がることがあります。コンロ周辺はこまめに掃除をするようにしましょう。
ロック機能の活用
子どもやペットによるいたずら・誤操作を防ぐためにも、コンロのロック機能を活用しましょう。ロック機能を使うと、着火ボタンを押すことができなくなり、火がつくことはありません。
火災報知器や消火器の設置
火災報知器は熱や煙を感知し、火災発生をいち早く知らせてくれます。火災報知器の電池寿命は10年程度です。だいぶ前に設置したお宅は、電池切れを起こしている可能性があります。定期的なメンテナンスを行い、いざというときに作動するようにしておきましょう。
消火器は火災の初期消火に役立ちます。いざという時に使える位置に置いておきましょう。
まとめ
・キッチン火災は主にコンロ周辺で発生する
・調理中はコンロの側から離れず、しっかりと見守る
・離れる場合は必ず火を消す
・着衣着火を起こしやすい衣服は避ける
・コンロの周辺に物を置かない
・こまめに掃除を行う
・火災報知器や消火器など、万が一への備えをしておく