南海トラフ地震への備えや、海外に於けるISISといったテロリズムの脅威に備えて、企業は危機管理能力の向上が求められています。
しかし、ただ社員が危機管理に関する知識を集めてきても、組織として有効に活用出来なければ意味がありません。
組織として危機管理能力を発揮する為の資格として危機管理士というものが存在します。
どの様な資格なのか紹介致しましょう。
危機管理士とはなに?
危機が起こった時に中心となって行動を起こせる人
危機管理士とは特定非営利活動法人日本危機管理士機構が認定する資格で大規模災害や事故といった社会的なリスクが伴う事態が発生した時に、緊急対処を行う組織としてのリーダーシップを発揮できる人材を育成する為に作られた資格です。
危機管理士の素質として、危機管理士機構では以下の三つを必要としています。
①危機的状況や潜在的なリスクに伴う事態に対する適切な認識能力
②災害発生時に適用される法規や制度に対する実践的な理解力
③組織内に於ける災害対策本部の円滑な立上げと運営、各部署との連携をしつつ、総合判断に基づく的確な判断と行動力
この三つが伴わないと、危機管理士としての能力は不足するとされています。
どんな区分があるの?
2つの分類と4つの等級に分かれる。
危機管理士の区分は大きく分けて、「自然災害」に対するものと「社会リスク」に対するものに分けられます。
自然災害には地震や風水害、火山爆発、津波が含まれており自然現象により発生する様々な危機をどう乗り切るかが中心となります。
社会リスクには大規模な事故や企業不祥事、感染症のパンデミックといった人為的に起こされるトラブルに如何にして対処するかという内容になります。
等級は各分類の専門家として実務対応を行うレベルである2級(自然災害)と2級(社会リスク)をベースとして、危機管理全般のマネジメントを行う統括者となるための1級及び準1級より成り立ちます。
1級になると図上訓練といった実際の状況に則した内容も試験で行われる事になります。
習得するにはどうすればいいの?
講座を受けたのちに学科試験を行う。
危機管理士になる為には、一度日本危機管理士機構へ入会して、自然災害と社会リスクで年1回ずつ行われる2級危機管理士講習会および試験を受けて下さい
試験合格後、2級危機管理士の資格が3年間付与されます。
資格はフォローアップ講習により延長可能ですが、1級試験を受けるには両方の2級資格を習得して2年以上経過する必要があります。
危機管理士の資格は習得する為にも時間が掛かりますが、維持する為にも相応の努力が必要なのです。
だからこそ、危機管理士は災害や社会的なリスクに最新の知識と技能を持って対応出来ると言えるでしょう。
まとめ
・危機管理士は日本危機管理士機構が認定する民間資格
・自然災害や社会リスクに対応出来る人材を育てる事が目的
・最終的には危機管理全般のマネジメントを行える様になる
・資格の維持には3年ごとのフォローアップ講習を受ける必要がある
※危機管理士は危機管理士機構の商標です。