2016年10月21日午後14時7分頃に鳥取県中部にて震度6弱を記録する地震が発生しました。
200棟以上の家屋が被害に遭い、現在も避難所と家を往復して生活をしている方もいらっしゃるという話も伺います。
避難所での生活が長引くと、問題となってくるのが着替えです。
下着の洗濯や替えの不足だけではなく、特に女性の方は洗濯を干す場所にも困ってしまうかと思います。
今回は、避難所での生活でも、衛生面やプライバシー面で安心して利用出来る非常時用の下着セットをご紹介します。
避難所で起こる下着の問題
洗濯だけではなく、犯罪の問題も
阪神淡路大震災や東日本大震災・熊本地震で起こった問題に、避難所で生活する方々が何日も同じ服を着ていなければならず、心身の不調の要因の一つとなった事が挙げられます。
特に下着は長時間同じ物を着用していると汗や湿気で蒸れてしまい、不快感が増していきます。
女性にとっては皮膚の疾患などの原因にもなるので、非常にデリケートな問題です。
しかし、洗濯機は避難所に必要分備えられている事が少ない上に、集団生活の中では思う様に干せる場所が確保できない場合もあります。
また無防備に下着を干していると、悲しいことですが下着泥棒や性犯罪に巻き込まれる危険性もあります。
避難生活で清潔を保つ事はもっとも大切な事ですが、障害となる要素も多いのです。
洗濯が簡単に出来る下着
RESCUE LINGERIE(レスキューランジェリー)とは
鳥取県中部地震と時を同じくして2016年10月19日~21日の間、東京ビッグサイトにて危機管理産業展2016(RISCON TOKYO)が行われました。
その会場で注目を集めていたブースの一つが株式会社ファンクションの展示していた女性向け災害用下着RESCUE LINGERIE(以降、レスキューランジェリーと表記)です。
この下着は、「被災地で長期間同じ下着を着まわす」という観点に着目し、開発されています。
抗菌・消臭性や着用する時の快適さを重視した素材を使用し、また避難所でも簡単に洗濯出来る設計に考慮されています。
下着の素材は、抗菌消臭性があり通気性も良い竹布(タケヌノ)という竹を用いた生地を使用しています。
デリケートな部分用に消臭性を重視した素材の布ナプキン用いることで、洗濯時には部品を別に干す事で災害時の女性のプライバシーを守り、下着の一部を取り換えることで洗濯する衣類の量を減らすも出来ます。
また素材には天然繊維を用いており、人体に悪影響を与える薬品が全く使われていないのも利点の一つです。
肌に直接身に着けるものですから普段から気を付けておきたいポイントですね。
洗濯の方法にも一工夫が加えられています。
レスキューランジェリーは専用の洗剤と洗濯バッグがセットになっています。
これがあれば、洗濯機が無くても下着を洗うことができます。
洗剤はを溶かした水の中でメダカが泳げるほど安全性に考慮された成分で出来ており、すすぎ1回で干す事が出来る便利なもので、海上自衛隊でも同じ成分の洗剤が利用されているほどです。
洗濯バッグにはいくつか種類があり大きめのサイズ(3.5ℓ)と通常サイズ(1.5ℓ)、底にマチがあるタイプ(4.5ℓ)があります。
これは緊急時には洗濯バッグだけではなく、氷嚢や水の運搬にも用いる事が出来ます。
レスキューランジェリーのセットは、パンツ1枚当たり1ℓほどの水で洗いとすすぎを終わらせる事が出来るので、避難所に水が供給される様になれば十分に活用する事が出来ます。
洗い方も簡単です。
洗剤を溶かした水でしばらく漬け置き洗いをした後、袋の外から手で良くもんで、内蔵されたメッシュでひねる様にして絞るだけです。
また避難所で女性が下着を干すときには男性の目線が気になりますが、底にマチがあるタイプのバッグであれば、付属の紐を外側底部分と内側底部分に取り付けると、洗濯したいものを中に吊るす事で人目に触れない様に干す事も可能です。
被災地ではどうしても汚れた服装のまま過ごす事になりがちです。
不衛生な状態のまま過ごす事は不快な思いをするだけでなく体調を崩す原因にもなります。
レスキューランジェリーは被災時だけでなく、キャンプなどの洗濯が出来ない環境や登山、旅行でも活躍する優れものです。
普段から使う事も出来るので、災害への備えとして持っておくと安心ですね。
いざという時も快適に過ごせるよう準備しましょう。
まとめ
- 災害による避難時は自由に洗濯を行う事が難しくなり、特に女性は下着等のプライバシーを守るための環境が確保しづらい状況になる
- レスキューランジェリーは避難生活においても、少ない資源で清潔な下着を使用する事が出来、プライバシーも確保できる
- レスキューランジェリーを被災時だけでなく、キャンプなど洗濯が出来ない環境で利用することで便利かつ災害への備えができる