夏休みは帰省や旅行などで車を利用する機会が増えますよね。夏休みは交通量が増加する・ペーパードライバーの運転が増えるといった理由から、交通事故の増加が懸念されます。車を運転する時は事故や災害に巻き込まれることを想定し、事前に備えをしておくことも重要と言えるでしょう。
事故や災害時に役立つのが「車用緊急キット」「緊急対応キット」と呼ばれるグッズです。車に積んでおきたい緊急キットとは、一体どのようなものを準備すればよいのでしょうか。
発炎筒

発炎筒は炎と煙を出し、トラブルの発生を後続車に知らせる目的で使用します。日本保安炎筒工業会は、発煙筒は以下のような場面で使用することを推奨しています。
・高速道路でパンクや燃料切れで緊急停車をした時
・踏切で脱輪や動けない状態になってしまった時
・カーブ等の見通しの悪い個所で故障等を起こした時
・その他、気象状況悪化による視界不良下で緊急事態が発生した時
トラブルの発生を周囲に知らせることは、交通事故の誘発を防ぐことにつながります。事故防止のため、発炎筒を使用する場面をしっかり覚えておきましょう。
発炎筒は自動車に備え付けるように義務付けられています。車を運転する前に、どの部分に発炎筒が備え付けられているのかを把握しましょう。
発炎筒には使用期限(有効期限は4年)が定められています。使用期限を過ぎた発炎筒は交換するようにしましょう。ディーラーや自動車指定工場で交換をお願いしてください。
三角表示板
三角表示板は車のトラブルなどで道路上にやむを得ず停車する際に、後方の安全を確保するために設置します。三角表示板を置くことで、後続車は前方の異変に気付くことができます。ひいては事故の誘発を防ぐことに繋がるのです。
三角表示板は、一般道では設置の義務はありませんが、高速道路・自動車専用道路上で車を停止させる時は、設置する義務があります。JAFは、高速道路上に三角表示板を置く際は、停止車両の50メートル以上後方に置く(視界が悪い時はさらに後方に置く)ことを推奨しています。
三角表示板は発炎筒とは異なり、自動車に標準的に装備されているわけではありません。高速道路等を走行する予定がある方は自分で購入し、必ず車に積んでおいてください。
牽引ロープ
牽引ロープは、車が路肩に落ちてしまった時など、自力で動かすことができない時に必要になります。
牽引ロープを選ぶ時は、自車の総重量に対応しているものを選びます。車両総重量は車検証に表示されています。
レスキューハンマー

事故や洪水の時に、車のドアが開かなくて脱出できないという事例が発生しています。このような事態に陥った時は、車の窓ガラスを割って脱出する必要があります。車の窓ガラスは素手や固い物で割るのは困難なため、レスキューハンマー(緊急脱出用ハンマー)と呼ばれる専用の道具を常備しておく必要があります。
レスキューハンマーはいざという時に手が届く位置に置いておきます。フロアマットなどに固定しておく方法がおすすめです。
シートベルトカッター
事故や災害が起こった際にシートベルトが外れず、身動きができなくなることがあります。シートベルトカッターはいざという時にシートベルトを切断するために用いる道具です。近年はレスキューハンマーと一体型になっている商品が主流です。
まとめ
・発炎筒は自動車に必須の装備である
・三角表示板は高速道路等を走行する時に必ず必要
・牽引ロープは自車の総重量に対応したものを選ぶ
・レスキューハンマーは、窓やドアが開かなくなった車内から脱出する時に必須
・シートベルトカッターも備えておく
参考サイト
◆日本保安炎筒工業会「発炎筒に関する Q & A」
◆JAF「高速道路で事故や故障が発生したらどうすればいいのですか?」