2017年9月3日午後0時36分頃、聯合ニュースによると北朝鮮でマグニチュード5.6の人工的揺れが観測されました。
北朝鮮が第6回目の核実験を行ったものと推察されます。
これまでも、ミサイル発射実験と併せて核実験を行ってきた北朝鮮、今回の実験も予想はされていたものの、現実のものとなってしまいました。
ミサイル発射実験と異なり直接的な影響は少ないと考えられますが、核実験を行う異によって周辺諸国のみならず世界中の関係諸国に対する影響は計り知れるものではありません。
ミサイルの恐怖とは
今現在における直接的な影響のみを見れば、核実験よりもミサイル発射実験の方が脅威に感じられる人も多いと思います。
しかし、弾道ミサイルだけであれば隕石が地表に落下してくるものと同様であります。
ミサイルの本当の恐怖は弾頭部分にあります。
弾道ミサイルが大気圏に再突入する時、弾頭は非常な高温状態になります。
弾頭部分にABC兵器を搭載しても、核兵器・生物兵器・化学兵器が高温による影 響で、その効果が発揮されなければ相手にとって脅威のあるものとはなりません。
確かに隕石が落ちてくれば、落下した周辺には被害があるかも知れません。
しかしABC兵器、特に核兵器を搭載した弾道ミサイルが、対象国に配備されていれば自国の安全保障上で大きな脅威となります。
8月29日に発射された北朝鮮のミサイルは(広範囲にJアラート発令! 北朝鮮による弾道ミサイル発射か)現在までの分析結果から多弾頭型(MIRV)と推察されております。
ミサイルの技術を着実に進めている北朝鮮が核の技術を併せ持てば、全世界にとっての脅威は非常に大きなものとなります。
日本に対する脅威
日本にとっては、北朝鮮のミサイル技術よりも核兵器の技術進化が大きな影響をもたらせます。
既に配備されているミサイルでも日本は、その射程圏内に位置しております。
弾頭部分に搭載される脅威が、その威力を有効に発揮する技術を北朝鮮が有効に持つことの方がはるかに脅威が大きいものとなります。
北朝鮮が核兵器を装備すれば、ミサイルだけではなく、安価な風船に核兵器を搭載し、偏西風で運搬した後はGPSによって日本を核攻撃する事も可能となります。
日本を防衛するためには
北朝鮮がMIRVの技術を身に着ければ、ミサイル防衛の技術は困難性が増してきます。
当然の事ながら、対処する標的が増えれば打ち漏らす可能性も増えてきます。
28年度の防衛予算が増えたといっても、北朝鮮とのイタチゴッコとなり、このままでは国民を守る事が難しくなります。
では北朝鮮の脅威から日本を守るためにはなにが必要でしょうか。
有効な日米安全保障態勢
今までの記事でも書いていたように日本の防衛で欠けているものは核抑止力です。
抑止力としての核は日米安全保障条約で保障されております。
しかし、対象国が意図的に攻撃しようとした時は、これに対処しなければなりません。
最適な方法は策源地攻撃、撃たれる前にその発射元を攻撃するものです。
ただし、現在の自衛隊にはその策源地攻撃能力がありません。
日米安全保障条約が有効に発動された時に策源地を攻撃する中心となるのがグァムです。
在日米軍基地よりも、その重要性は大きなものとなります。
先月、グァムに対して北朝鮮が発射予告をした背景にはグァムの米軍基地、ストライクフォースの存在があるからです。
新たなミサイル防衛技術
現在のミサイル防衛は、限定された脅威への対応能力しか有りません。
これを上回る攻撃能力を対象国が保有した場合、更に上回る数を配備するのでは防衛予算が膨大なものとなってしまいます。
ミサイル防衛は新たな技術を開発する事によって、有効かつ安価な態勢をとれる可能性があります。
①レーザー技術
現在、宇宙空間におけるデブリ(宇宙ゴミ)対策が進められている中、レーザーによって破壊する方法が検証されております。
レーザーもエネルギーの一つであり、そのエネルギーを対象物に集中させることによって対象物を破壊する事が可能となります。
②レールガン
現在、研究されている中でレールガンによる対処方法が最も早く実現出来そうです。
リニアモーターカーをイメージしていただければ分かりやすいと思います。
原理的にはリニアとは違いますが、電磁誘導を利用して弾丸となる物に非常に大きな運動エネルギーを与えて発射し、対象物を破壊するものであります。
技術的には完成しているものの、発射させるための電気エネルギーを如何に効率よく、小型化するかが今後の課題であります。
北朝鮮がこれ以上、国際社会にとって脅威とならないためには、軍事という力だけではなく、国際社会全体の一致した意志が必要となります。
まとめ
・北朝鮮が6回目の核実験を行ったと推察される
・日本のみならず、国際社会にとって、北朝鮮による核脅威は排除しなければならない