9月1日の「防災の日」を中心に国民が災害についての知識を深め、防災意識を高めることを目的とした防災週間が定められています。
防災週間の期間中は全国で防災訓練が行われていますが、ご自宅の災害対策を整えられている方も多いのではないかと思います。
しかし、勤め先での災害対策を進めてはいらっしゃいますか?
東日本大震災では東京だけで約352万人もの帰宅困難者が発生し、徒歩で帰る人や会社に寝泊まりする人まで発生しました。
災害が起きた時、誰もが出来るだけ早く家に帰りたいと思いますが、災害の影響で公共の交通機関が止まっている場合は叶わない場合もあります。
そこで、帰宅困難者となった場合に向けて何を備えておけばいいのかを調べてみました。
安否確認手段の確保
家族との連絡が繋がる安心
災害時はまず家族の安否を確認したくなりますが、緊急連絡の妨げにならないように電話回線は規制対象となるためなかなか繋がらなくなってしまいます。
メールも到着が遅れてしまう事があり、確実な連絡手段ではありません。
そこで役に立つのがインターネットを経由したSNSサイトの活用や伝言サービスの利用です。
SNSもアクセスが集中してしまうとサーバーがダウンしてしまったり、被災地にサーバーがあった場合サイトに繋がらなくなったりするという可能性があります。
事前に複数のSNSに登録する事や、海外のSNSサイト等を調べて対策をしておくと良いでしょう。
インターネットが苦手という人はNTTの災害伝言ダイヤル171を活用しましょう。
事前に家族と話し合って伝言ダイヤルを使う旨を決めておくと、災害時にスムーズな安否確認を行えます。
ただし、携帯電話でやり取りする場合は電池の残量には気を付けて下さい。
特に徒歩で帰っている最中は電源の確保も難しくなるので予備電池を用意するといった備えが大切になります。
予備電池は普段から出来るだけ充電しておくように心がけましょう。
食料の確保
待機するにも徒歩で帰るにも必須
東日本大震災では、関東一円で一部食品の買い占めが発生し一時的に入手が難しくなるという事がありました。
帰宅困難者として会社に残る場合や徒歩で帰る時も同じ様な事が起こると考えられます。
帰宅経路のコンビニやスーパーも同じように徒歩で帰る人たちが食品や飲み物を買うためすぐに品薄になるでしょうし、交通は緊急車両通行の為に厳しく規制されるので新しい商品の入荷も期待できません。
普段から社内にお菓子のような保存が効く食品やペットボトルに入った水を用意しておくと良いでしょう。
徒歩で帰宅する場合、電車で1時間かけて通勤する人は7時間から10時間以上かけて歩くことになるので、途中で必ず食事の為に休息を取る様にしましょう。
あまりに遠方の場合は、帰宅困難者による混雑を避けるために社内待機や、災害時に帰宅困難者向けに公共施設が解放されるので一時滞在施設への避難をする事が求められる場合があります。
公共施設に避難した場合も食料が必ず提供されるとは限らないので、事前に準備しておくことが大切です。
移動経路の確認
車は使わない、道筋は地図で確認
災害時には主要な道路は警察により規制されて通行不能になります。
その為、車による帰宅は出来なくなると考えましょう。
東日本大震災では帰宅者の車で起きた渋滞により、緊急車両の通行が妨げられて問題となりました。
地震の際は車での移動が禁止されているので、災害時の帰宅手段として車を前提にしないように注意しましょう。
災害時の帰宅手段は公共交通機関か徒歩になりますが、大災害が起きた場合は公共交通機関は復旧するまでかなりの時間がかかる可能性があります。
実質的には徒歩による帰宅となるので、ルート確認に用いる地図を事前に用意しておく事が重要です。
携帯等のGPS地図を用いて帰宅する事も出来るでしょうが、緊急連絡の為に出来るだけ電池の消耗は避けるべきです。
そこで紙の地図があれば電池の消耗を気にせず使う事が出来ます。
景色を覚えて帰るという方もいるかも知れませんが、災害時には建物の倒壊等により見慣れた景色が変わってしまう事も考えられます。
普段から地図に慣れておくとよいでしょう。
自宅が遠くて徒歩で帰るのが難しい場合は公共交通機関が運転を再開するまで社内や一時滞在施設に避難する事をお勧めします。
帰宅困難者となった際に怖いのは見知らぬ土地で体力の限界が来て倒れてしまい、すぐに治療が受けられなかったという二次災害の発生です。
自分の体力にあった帰宅方法を選ぶようにしましょう。
まとめ
- 災害時の連絡手段は事前に家族と決めておく
- 食品や飲み物が必要になるので、少しでも普段から備えておく
- 無理に帰宅せずに社内泊や一時滞在施設を活用して公共機関の復旧を待ってから帰宅する方法もある
参考サイト
- 帰宅困難者対策 東京都防災ホームページ
- 災害用伝言ダイヤル NTT西日本
- ウェザーニューズ、東日本大震災における「帰宅困難調査」結果発表
「震災時、首都圏の帰宅所要時間の目安は普段の7倍」