東日本大震災以降、東北、九州や近畿、北海道等日本列島あちこちで大きな地震が続いています。地震への意識の高まりから、自宅や会社、学校で飲料や食糧の備蓄等災害への備えをすすめている所も多いでしょう。一方で、備えることができないのは帰宅途中で遭遇する地震です。東日本大震災でも、帰宅途中に震災にみまわれ、電車がストップしたりホテルもいっぱいになったりで、駅や道路が帰宅難民であふれかえる事態になりました。本記事では、自宅にも会社にも遠い場所で地震に遭遇した時の備え、帰宅難民への備えをご紹介します。
帰宅困難への備え
東日本大震災以降、大地震が発生した場合の帰宅困難者対策として内閣府の方針は、一時滞在施設をあちこちに設定して、その場に人を留まらせるというものです。首都圏はじめ電車網の不通で帰宅困難者のあふれる都会や都会周辺では、帰宅困難者が駅から一斉に徒歩帰宅に動き出すと、広い道路でさえ満員電車のように人であふれます。例えば、転倒者が一人現れるだけで将棋倒しとなる等大きな二次災害につながる危険な状態です。無理して徒歩帰宅するのは止めましょう。
まずは、自分のいる建物が倒壊の危険がないか、上からガラスや物が落ちてくるような場所でないか等自分の身の安全を確保してください。また、周辺で建物が倒壊して粉塵が上がったり火災が発生して煙につつまれること等に備えて、日ごろから大判のハンカチを持ち歩いておきましょう。
家族との普段からの話し合い
自分の身の安全確保ができたら、家族や会社、学校それぞれで安否確認を行ってください。このあたりは、各家庭や各企業、学校での取り決めがあると思いますので是非確認しておいてください。また、無理して帰宅しないことや中々会えない場合もあることを、日ごろから家族と話しておくことで、帰宅難民になった時に焦って帰宅しようとして二次災害にまきこまれることの防止につながります。
こうして自分の身の安全と家族の安否確認をした上で、急いで会社や学校に行ったり帰宅する必要のない場合は、周辺の帰宅難民受け入れ施設を探すようにして下さい。政府や自治体、商業施設等が連携を進めているので、日ごろから、家から学校や会社までの帰宅難民受け入れ施設になりそうな場所をチェックしておきましょう。また、帰宅難民受け入れ施設で飲み水はもらえても水道を使えず手を洗えない場合もありますので、ウェットティッシュを持ち歩くようにしましょう。携帯タイプもありますし、嵩張らないはずです。
被災後の帰宅に備えて
どうしても徒歩帰宅をする場合は、まずはラジオで帰宅経路にあたる道路の状況を確認しましょう。そこで、常に携帯ラジオを持って歩いたりあらかじめスマホや持ち歩いているPCにラジオアプリをインストールしておきましょう。ただし、ラジオアプリを多用するとバッテリーの消耗もはやくなるので予備バッテリーの準備も必要です。
そして、徒歩帰宅の経路の安全を確認してから、歩きだしましょう。自分以外にも帰宅難民はたくさんいて道は混雑していると思いますので、譲り合う精神を持ちましょう。混雑した道路で焦っては、二次災害につながります。また、徒歩帰宅の疲れ等で体調に異変がおきた時に助けてくれるのも、同じ帰宅難民のはずです。お互いに、助け合いの精神を持ちましょう。
さらに、コンビニやガソリンスタンド、ファミレス等街のあちこちにある店と政府や自治体は徒歩帰宅支援の協定を結んでいる地域も増えています。地域よっていろいろな名もありますが、「災害時帰宅支援ステーション」等と書かれたステッカーを店の入口等に貼ってあるはずです。水やトイレ、道路の安全状況についての情報を提供してくれます。日ごろから、通勤通学路付近のそうした店をチェックしておきましょう。ただし、そうした店も被災していたり、多くの帰宅難民を受け入れきれない場合もあるので、安易に水を貰えることを前提に歩くのは止めましょう。また、日ごろの水分補給にもなるので、常に水分を持ち歩くようにしておきましょう。夏に帰宅難民になった場合、自分で水分を持っていなかったりコンビニで水が手に入らなかったら脱水症状にもつながり大変危険です。
以上、帰宅難民になった場合の対処法を見てきました。結局は、無理をしないことと互いの助け合いです。家族や会社、学校で帰宅難民になった時の対策を話し合う時も、実用的な話しばかりでなく、無理をしないことと互いの助け合いの精神についてもしっかりと話し合ってください。
まとめ
・大判のハンカチを常に持ち歩く
・ウェットティッシュを常に持ち歩く
・携帯ラジオを持ち歩いたり、ラジオアプリをダウンロードしておく
・帰宅中に大地震が発生した場合、まずは自分自身の安全を確保する
・次に会社や家族との安否確認をし、その場や近場に留まれるなら留まる
・徒歩帰宅は留まれない場合の手段
・徒歩帰宅をする場合、コンビニやファミレスの位置、通れない道を確認し、休憩しながら徒歩帰宅する
・日頃から徒歩帰宅する時の道順を考えておく。また、コンビニやファミレス、ガソリンスタンド等には災害時に帰宅支援を協力する協定を自治体と結んでいるところも多数あるのでチェックしておく。