警察官が突然家に来て、個人情報の提出を求められた経験はありませんか?警察は巡回連絡(戸別訪問調査・戸口調査)という活動を通じて、地域の安全を守ったり事件や事故が起こった際に速やかな対応をできるようにしたりしています。
しかしながら、警察官が各家庭を個別に訪問することに対し、「何も悪いことをしていないのに、どうして?」「怖い」「本当に警察官なの?」といった、戸惑いの声も聞こえてきます。
今回は警察の巡回連絡(戸別訪問調査)とはどのような活動なのか、実体験も交えながらご紹介します。
巡回連絡(戸別訪問調査)とは

巡回連絡(戸別訪問調査)とは警察の活動の一つです。具体的にはその地域を担当する警察官が各家庭や会社を訪問し、「事件や事故を防止するための連絡を行う」「その地域に住む人が安心・安全な暮らしができるように、困っていることや不安に感じていることを聞き取ってアドバイスをする」「警察への意見・要望を聞く」などの活動を行っています。その一環として、氏名、住所、生年月日、連絡先(勤務先)などの個人情報を聞かれることがあります。
警察が個人情報を聞く理由は、事故・火事・災害などがあった際に、安否確認や家族への緊急連絡を速やかに行えるようにするためです。神奈川県警のホームページでは、迷子や病人を保護した際に、巡回連絡で得ていた連絡先に連絡をすることで、家族といち早く連絡をとることができたケースが紹介されています。
筆者の経験
筆者は過去に2度、警察の巡回連絡を受けています。
インターホンが鳴りドアを開けると、制服を着用した警察官が立っていました。警察官はまず自分の名前と所属(どこの管轄の、何という名前の交番に勤務しているという情報)を告げました。名前と所属先が書かれた紙を渡されたこともあります。その後、巡回連絡という活動の一環で訪問したこと、緊急時の安否確認や家族への連絡のために本人の情報(氏名、住所、生年月日、連絡先、勤務先)・家族構成・家族の情報(氏名、住所、生年月日、連絡先、勤務先)を教えてほしいと言われました。
神奈川県警の巡回連絡を受けた時はその場で個人情報を教えるのではなく、「巡回連絡カード」というカードに個人情報の記入をするように求められ、後日同じ警察官が回収に来ました。他県に在住していた時は戸別訪問時に個人情報を口頭で伝え、警察官がその場で手帳に書き留めていました。
巡回連絡のやり方は各都道府県によって異なることがわかります。方法に不安や疑問を感じた時は、どのような方法で行っているのか、最寄りの警察署に問い合わせてみましょう。
疑うことも大事である

筆者は警察官に個人情報を教えるにあたり、「この人は本当に警察官かどうか」という疑念を抱きました。警察官というとそれだけで信頼してしまいたくなりますが、残念なことに警察官を語った詐欺が発生しています。個人情報を教えるのですから、「本当に警察官かどうか」を疑う姿勢は、ある意味正しいと言えるでしょう。
目の前にいる警察官が本当に警察官かどうか疑問を抱いた場合は、ドアを開ける前(ドアを開けてしまった場合は一度ドアと鍵を閉めて)に最寄りの交番や警察署に電話をし、自分が住んでいる地域で現在巡回連絡が行われているかどうか、○○と名乗る警察官は本当にその警察署に所属しているのか、といった点を問い合わせてみましょう。警察官をドアの外で待たせることに対して気がひけるかもしれませんが、本物の警察官であれば快く対応してくれるはずです。
警察署に電話をする場合は相手が示した番号ではなく、自分で調べた番号にかけてください。警察官を語った詐欺の場合、相手が提示した番号は不審者の仲間に通じ、偽の警察官を本物の警察官であると信じ込まされてしまう可能性があるからです。
不審に感じた場合や緊急性がある場合は、迷わずに110番通報しましょう。
まとめ
・巡回連絡(戸別訪問調査)とは、警察官が各家庭や会社を訪問する活動のこと
・巡回連絡では警察官に個人情報(連絡先)の提出を求められることがある
・提出した情報は、事件・事故・災害があった時などに、速やかに連絡をするために使用される
・本物の警察官かどうか疑わしい場合は、最寄りの警察署・交番に連絡を