登下校中の子どもを狙った犯罪や声掛けは後を絶ちません。万が一犯罪に遭遇した時のために子どもに防犯ブザーを持たせたり、知らない人について行かないように教えたりしている保護者も多いでしょう。でも、犯罪に遭遇した子どもが必ずしも教えたとおりの行動を起こすことができるとは限りません。登下校中の安全確保を子どもまかせにするのではなく、親たち世代ができることについて積極的に考えてみることも大切なのではないでしょうか。今回は子どもたちが安全に登下校するために、大人ができることについてご紹介します。
見守り活動
登下校中の安全を確保するためには、大人が子どもの登下校を見守る活動が効果的です。登下校中の見守り活動は、犯罪や不審者を発見することにつながります。不審者と遭遇した子どもの訴え(叫び声・防犯ブザーの音など)に即座に気付くこともできますし、「変な人がいた」など子どもから寄せられる不審者情報をくみ取って素早く行動に移すことにもつながるでしょう。また、子どもの登下校を見守るという行為は、不審者に「この地域は狙いにくい」と思わせることができます。このことから、犯罪抑止効果もあると言えるでしょう。
見守り活動を行う時は、毎日同じ時間に同じ場所にいるようにしましょう。子どもたちの登下校の様子・見守り地点の通過時刻などを日々観察することは、異常をいち早く発見することにつながります。「死角となりやすい路地」「人通りが少ない場所」などで見守り活動を行うとより一層効果的です。交通事故などを予防するためには、事故多発地点・手入れが行き届いていない危険な場所・信号の無い横断歩道を見守るのもいいですね。
通学路の死角を少なくするためには、より多くの人に子どもたちの見守り活動に参加してもらう必要があります。保護者だけでは限界があるので、見守り活動を行う時はボランティアや地域住民の協力を得られるように働きかけることも重要と言えるでしょう。
パトロール活動
見守り活動と並行して行いたいのがパトロール活動です。見守り活動は定点で行う活動であるのに対し、パトロール活動は通学路を巡回しながら行う活動です。通学路を巡回することによって、見守り活動では死角になりやすい場所に目を向けることができるでしょう。また、異常発生の有無や不審者・不審車両の発見にも効果を発揮します。
誘拐や声掛けは、子どもの下校時刻に多発しています。そのためパトロール活動は、子どもの下校時刻(14時~18時の間)に合わせて行うとよいでしょう。通学路だけでなく「死角となる場所」「人通りの少ない場所」「子どもが寄り道しそうな場所」「不審者が隠れることができそうな場所」も合わせてパトロールしましょう。
情報共有を徹底する
不審者に関する情報は、地域全体で共有することが大切です。地域全体で共有することで「見守り活動を徹底する」「パトロール回数を増やす」といった具体的な対策を取ることができますし、個々が防犯意識を高めることによって地域全体の犯罪抑止効果を上げることができるでしょう。
不審者の情報や犯罪発生に関する情報は、「自治体・警察からの情報発信」「学校からの情報発信」「SNSなどを使った情報共有」など様々な形で発信・共有されています。しかしながら、犯罪に関する情報収集を積極的に行っていない家庭や、町内活動・校内活動に参加していない家庭には、十分な情報共有がなされていないことがあります。子どもの安全を確保し、犯罪の無い地域を作り出すためには、こうした家庭にも情報が行き渡るように、保護者や地域住民全体で工夫することも重要と言えるのではないでしょうか。
まとめ
・登下校中の安全確保には見守り活動が効果的
・パトロール活動も並行して行うとよい
・犯罪に関する情報は、徹底的に共有することが大事