みなさんは、子どもが体調不良になった時、正しく対処できていますか?大人が体調不良になった時は自分で対処し、必要であれば医療機関を受診することができます。
しかし、子どもは体調不良に陥った時の対処法を知らず、自分で医療機関に行くことはできません。身近にいる大人が正しい対処をしなければならないのです。
とはいえ、いざという時に冷静に対応できる人はそこまで多くありません。子どもは体調不良に陥りやすいもの。冷静に対応できるように、今回は子どもが腹痛、発疹・湿疹、けいれん等になった時の対応についてご紹介いたします。
腹痛
子どもが腹痛を訴えてきた時は、落ち着いて様子を観察します。痛がり方はどうか、どの部位を痛がるのか、どれくらいの時間痛がっているのか、他にも吐き気や下痢、発熱等の症状はないかも確認しましょう。腹痛と原因となる病気には便秘や急性胃腸炎、腸重積、急性虫垂炎、腸閉塞等があります。すぐに腹痛が治まるようなら、様子を見ていいでしょう。または排便によって症状が落ち着く場合も同様です。
腹痛の対処法としては、飲めるようなら少しずつお茶やイオン飲料等を飲ませて様子を見ます。柑橘系の飲み物や牛乳は症状を悪化させる恐れがあるので控えましょう。便秘であればトイレに行ったり、必要に応じて浣腸をします。
ただし、次場合は早めに医療機関を受診する必要があります。
・子どもがお腹を抱えて痛がったり歩くことができない
・子どものお腹に少し触れただけで痛がる
・激しく泣いたり間隔を空けて発作的に泣く
・ぐったりとしている
・機嫌が悪く泣いてばかりいる
・嘔吐や下痢
・血便や苺ジャムのような便
発疹・湿疹
発疹・湿疹の原因として考えられるのは、あせもや突発性湿疹、じんましん、溶連菌感染症、手足口病、水疱瘡、はしか、とびひ、川崎病など数多くあります。
発疹・湿疹が出たら発熱の有無、発疹が出た場所や進行した順番等を観察しましょう。そして、その旨医師に伝えます。
かゆみがある場合は温めると更にかゆみが強くなるので、患部を冷やすといいでしょう。患部をかきむしったり、不用意に触らないように注意します。発熱している場合は体を休ませ、小まめに水分補給しましょう。
けいれん
子どもがけいれんすると手足を突っ張ったりガクガクしたり、脱力したり。一点を見つめて硬直、もしくは白目を剥いたりする、顔や唇が紫色になる等の症状が表れます。
子どもがけいれんを起こしたら、嘔吐物で窒息しないように横向きに寝かせ、衣服をゆるめましょう。体をゆすったり叩いたり、大声をあげずに側で見守るのです。けいれんによって舌を噛むことはないので、絶対に口の中に指や物を入れてはいけません。静かに子どもの様子を観察することが必要なのです。
けいれんは小児救急の中で起こる頻度が高いものですが、原因不明であることも多いです。けいれんした時間が5分以内で、その後の回復が早い場合や40度以上の熱がある場合、けいれんを繰り返さない場合は問題ないことが多いので、病院の診療時間に診てもらうといいでしょう。
ただし、次のような症状が表れたらすぐに医療機関を受診します。
・生後6カ月未満の乳児
・初めてけいれんを起こした
・5分以上けいれんが続く
・短い期間にけいれんを繰り返す
・部分的にけいれんが起きる
・けいれんを起こした後意識が戻らない、顔色が回復しない
・嘔吐を繰り返す
他にも気になることがあれば、診てもらうと安心です。
子どもがけいれんを起こすと、身近にいる大人は慌ててしまうことが多いものですが、冷静に対応することが大切です。
まとめ
・腹痛時は水分補給をさせ体を休ませる
・腹痛時はトイレに行かせ必要であれば浣腸をする
・発疹・湿疹が出た時は子どもの様子を確認し患部を冷やす
・子どもがけいれんしたら横向きに寝かせて衣服をゆるめる
・けいれんを起こした時は静かに見守ることが大切