子どもを狙った犯罪は後を切らず、そのような事件をニュースで見るたびに、心を痛めていらっしゃる方は多いかと思います。
犯罪は暗い夜道や人通りの少ない道でばかり起こるのではありません。週末に家族と一緒に行く、ショッピングセンターのような明るく賑やかなところでも、一瞬にして犯罪に巻き込まれることがあるので、十分に気をつけなくてはなりません。
今回は人が多いところに行くときに、気をつけておくべきポイントをご紹介します。
人が多いと、人間は周囲の人に無関心になる

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あなたは「人がたくさんいるところは人目が多いから安心だ」と、頭のどこかで思っていませんか?
実は、人間は人が多いところだと、かえって周囲に対して無関心になりがちです。
たとえば、小さな子どもが一人で歩いているのを見たとしても、人通りの少ない道で見かけた場合と、人混みで見かけた場合とでは、まるで印象が違います。
人通りの少ないところで見かけた場合は、強く印象が残り、「あの子、大丈夫かな?」と心配になります。しかし、スーパーなどの人混みで見かけた場合はどうでしょうか?
「きっと少し離れたところに、親も一緒にいるんだろうな」などと思うのが普通です。
もし少し心配になったとしても、「これだけ人がいるのだから、きっと大丈夫だろう。もし迷子でも、誰かが助けてあげるだろう」と考えてしまいがちです。
人混みは誰でも入れる場所
「人混み」とは、誰でも入って来られる場所です。
「石を隠すなら石の中、人に隠れるなら人の中・・」とよく言われますが、そう考えると、人混みは犯罪者が目立たずに紛れこむのに都合がいい場所でもありますよね。
ショッピングセンターなどの大型商業施設は、楽しい憩いの場であると同時に、不特定多数の人が集まっている場所でもあります。また、店内のBGMや人の話し声で、子どもの声も届きにくくなります。実は、繁華街を歩いているのとほとんど同じなのです。
店内であっても、子どもとしっかり手をつなぎましょう。もし手がつなげない場合は、子どもに親の前を歩かせる、もしくは、親の衣服をつかませるなど、子どもと常に一緒にいるようにすることが大切です。
子どもをひとりで行動させてはいけない
ショッピングセンターは明るく、人目も多いので、つい安心して、子どもの手を離してしまいがちですよね。子どもは買い物に付き合うのに飽きるものですし、親の方もゆっくり買い物がしたいので、慣れたショッピングセンターなどでは、「キッズコーナーで遊んでおいで」などと、買い物する間、子どもと別行動をする人もよく見かけます。
ただ、防犯の面から言うと、これはとても危険なことです。
犯罪者が店内で、ターゲットを探してしているかもしれませんよ。
ショッピングセンターの危険な場所
照明が明るく、人目があるということで一見、安心に見えるショッピングセンターですが、なかには人目につきにくい場所があります。
それがトイレと階段付近です。
どちらもショッピングセンター内で、子どもがよく利用ところですよね。
店内は賑やかでも、トイレは建物の奥の静かなところにあるのが普通です。子どもと一緒に買い物をしていて、会計をする前に、子どもから突然「トイレに行きたい」と言われると、ひとりで行かせてしまう方も多いのではないでしょうか。
また階段付近も、やはり建物の奥や角に設置されることが多く、人目につきにくい場所です。子どものちょっとした遊び場や休憩場所になることも多い階段付近。子どもだけで階段付近にいることは、とても危険です。
欧米ではショッピングセンターの子供の遊び場ですら、親がついてないと子どもは警察に保護されてしまいます。アメリカの州によっては、道を歩く際に、子どもと手をつないで歩いていないだけでもが、親に罰則を科されるところもあるそうです。
文化や治安の違いもありますが、日本でも子どもを狙った犯罪が後を絶たない以上、親は警戒を怠らないことが大切ですね。
まとめ
・人目があっても安全とは限らない
・人が多いと、人間は周囲の人に無関心になる
・ショッピングセンターで、子どもをひとりで行動させてはいけない
・ショッピングセンターで特に危険な場所はトイレと階段付近
参考
小宮信夫(2015)『親子で実践!犯罪・危険・事故回避マニュアル』 主婦と生活社