2018年5月、新潟県で小学生の女子児童が犠牲となる痛ましい事件が起こりました。子どもの安全をどのように確保するべきか議論は尽きませんが、防犯対策の一つとして通学路を中心に「こども110番の家」が設置されていることをご存知でしょうか。
こども110番の家とは、一体どのような役割を担っているのでしょうか。こども110番の家についての理解を深め、どのような時に使うべきかお子さんに伝えてあげましょう。
こども110番の家とは
こども110番の家とは、危険を感じたこどもが助けを求めてきた時に、子どもを保護するボランティア活動を行っている家や施設のことです。こども110番の家では助けを求めてきた子どもを保護するだけでなく、事情を聞いたうえで警察・消防・学校・家庭などへ連絡を行ってくれます。この他にも、子どもたちが犯罪の被害に遭いそうな場所を発見した際に関係各所に連絡を入れるなど、子どもの安全を守る活動を行っています。
こども110番の家はボランティアの個人宅だけでなく、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの商店も参加しています。近年はタクシー会社や鉄道会社なども活動に参加し、助けを求めている子どもを路上で発見した時の保護や、電車内や駅構内で犯罪に遭遇した子どもを保護するといった活動を行っています。
こども110番の家にはそれを示すステッカーや看板が掲げられています。ステッカーのデザインは地域によって異なりますが、概ね黄色をメインカラーとしており、必ず「こども110番」「こども110番の家」などと明記されています。通学路や子どもがよく遊ぶ場所の付近にあるこども110番の家を探し、子どもと確認しておきましょう。
どういう時に利用できるの?
こども110番の家は子どもが危険を感じた時や誰かに助けを求めたい時などに利用できます。「変な人が後をついてくる」「知らない人に声をかけられた」「腕をつかまれた」「体を触られた」といった犯罪に直結しかねないケースの時は、迷わずこども110番の家に駆け込みましょう。このような行為に当てはまっていなくても、子どもが不安を感じた時は積極的に利用して構いません。
こども110番の家を有効活用するためには、いざという時に子どもが駆け込むことができるよう、家庭で指導することが大事です。「怖いことや不安なことがあった時は、こども110番の家に駆けこんでね」など繰り返し伝えることで、子どもの記憶にも残りやすいでしょう。通学路にあるこども110番の家を定期的に確認し、「ここはどういう時に使うの?」と尋ねて、こども110番の家の役割を子どもがきちんと理解しているかどうか確かめるのもいいですね。子どもと日頃からコミュニケーションを取り、親子で防犯意識を高めていきましょう。
まとめ
・こども110番の家とは、子どもが危険を感じた時・困ったことがあった時に子どもを保護してくれるボランティア活動のことである
・状況に応じて警察・保護者・学校などに連絡をしてくれる
・こども110番の家は、個人宅・商店・施設・交通機関など様々な場所に設置されている
・通学路にあるこども110番の家を確認し、「困ったことがあれば駆け込む」ということを子どもに教えておく