子どもが、親に内緒で高額な商品を契約した、という場合、それを取り消すことはできるのでしょうか。
それについて見ていきましょう。
基本は親の権限で取り消せる
基本的には、子どもが親に内緒で行った契約に関しては、それの取り消しを行うことができます。
なお、ここでいう「子ども」とは、法律の区分の「未成年(20歳未満)」のことを指します。
未成年者は未熟な存在であると解釈されるため、これを法定代理人(特に記載がない場合は親)が取り消すことが可能です。
このように契約を解除した場合は、当然金額を払う必要はありません。
例外もある
「子どもの契約は親が取り消せる」ということは、すでに述べた通りです。
しかし、「すべての契約を取り消せる」というわけではありません。
たとえば、子どもが自分のお小遣いで、お菓子などを買った場合。これは、親が子どもに対して「好きに使ってもいいよ」と与えるものです。このため、このお小遣いの範囲で買ったものに関しては、返金を要求することはできません。
現在では高校~大学への進学率も多くなっていますが、中卒や高卒で働く子どももいるでしょう。
彼らが、親からの許可を受けて、取引先に発注した場合なども契約を取り消すことはできません。
「企業側も騙されていた、子どもが自分を未成年だと思わせないように細工していた」という場合も、契約の破棄は認められません。
たとえば、18歳の子どもが、フルメイクをし、スーツを着て、20歳の姉の身分証明書を持参して、「成人です」としてエステの契約をした場合などです。
このような場合、お店側としては彼女が「成人である」と誤認識する条件がそろっているわけです。信じ込んで契約してしまった場合、その契約を破棄することはできません。
最後に挙げたいのが、「子どもが結婚している」という場合。
これは少しイレギュラーなものです。
現在の日本では、女子は16歳、男子は18歳から結婚することができます。10代の既婚率は0.3パーセント(男子)~0.4パーセント(女子)にすぎませんが、この0.4パーセントについては、「既婚者であれば、契約については未成年として扱わない」という決まりがあります。
このため、既婚者である未成年者がした契約については、これを取り消すことができません。
まとめ
・未成年者の契約は原則として取り消せる
・ただし、例外もある
・「子供がお小遣いなどで買ったもの」「親の許しを得ているうえでの商売上の契約」「成人だと偽ってした契約」「結婚している場合」は、契約の取り消しができない