みなさんは、本来のマスクの効果をご存知でしょうか。2020年、新型コロナウイルスの影響により、マスクの深刻な品薄状態が続いています。オークションサイトやフリマサイトでは高額転売が相次ぎ、社会問題にもなっています。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される今、マスクが手に入らずに不安を抱えている方は少なくありません。
そこで気になるのはマスクの効果です。実は、マスクの本来の効果について知らないという方が多いでしょう。また正しい付け方は知っていても、捨て方に気をつけていないことも多いです。今回は、意外と知られていないマスクについて詳しくご紹介いたします。
マスクの効果

多くの人が新型コロナウイルスの感染予防として、マスクを購入しています。
しかし結論から言うと、マスクを装着することで新型コロナウイルスを始めとする感染症を完全に予防できるという根拠はありません。
なぜなら一般的なマスクの穴は通常直径5μmで、細菌やウイルスは0.02~1μm。細菌やウイルスは、マスクの穴よりも更に小さいということが分かるのではないでしょうか。これではマスクをつけただけで、細菌やウイルスを除去するのは難しいでしょう。
マスクの本来の効果は、感染症にならないようにすることではなく、感染者が咳やくしゃみ等によって周囲を汚染させないようにすることです。飛沫の大きさは5μm以上なので、マスクで遮ることができます。それぞれ1回の咳には約10万個、くしゃみには約200万個のウイルスが含まれると言われているので、飛沫感染による感染者を増やさない為にはマスクの装着が必要になるのです。
ただしマスクを装着することにより、接触感染による感染リスクを僅かながら下げることができます。接触感染の場合、手に病原体が付着した状態で鼻や口を触ると、体内に病原体が侵入しやすくなります。マスクをしていれば顔を触る回数を減らせるので、感染する可能性が低くなるのです。
他にもマスクには、喉や鼻を加湿する効果も期待できます。インフルエンザ予防として効果があるのは50~60%の適切な湿度なので、マスクの装着は喉や鼻の湿度を保ち保護することにつながります。
このようにマスクにはいくつかの効果があるのですが、マスクの効果は限定的です。マスクさえしていれば感染症の予防になると過信するのは危険でしょう。マスクをしているから感染予防になるのではなく、こまめな手洗いやうがいも忘れずに行うことが予防につながるのです。
マスクの正しい外し方や捨て方

マスクの正しい装着方法を知っている人はいても、意外と知られていないのがマスクの外し方や捨て方です。マスクは表面に、ほこりや病原体が付着している可能性がある為、マスクを外す時はゴムを掴んで外すことが大切です。外したマスクはそのまま捨てるのではなく、すぐにビニール袋に入れて口を縛り、密閉にして捨てましょう。捨てる時もマスクの表面を触らないように気を付けます。処理をした後は、手洗いも忘れずに行いましょう。
マスクが手に入らない時は
現在、深刻なマスクの品薄状態が続いている為、マスクが手に入らない人が多いのではないでしょうか。マスクを装着していない状態で咳やくしゃみをする時は、ハンカチやタオル、ティッシュ、服の袖や肘の内側でおさえるといいでしょう。手で受けてしまうと手がウイルスに汚染されてしまうので、必ずハンカチやティッシュ等を使用しましょう。
警視庁では、キッチンペーパーを使った簡易マスクを紹介しています。作り方は非常に簡単で、まずキッチンペーパーを蛇腹に折ります。そしてキッチンペーパーの両端に1つずつ輪ゴムを乗せ、ホチキスでとめます。ホチキスをとめる位置で、簡易マスクの大きさの調整可能です。マスクが必要であれば、一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・マスクの穴よりも細菌やウイルスは小さい
・マスクの本来の目的は感染者が飛沫によって周囲を汚染させないようにすること
・接触感染の感染リスクを下げる効果が僅かながら期待できる
・喉や鼻を加湿して保護する効果がある
・マスクを捨てる際はゴムを持ちゴミ袋に入れて捨てる
・マスクの代用品としてキッチンペーパーが便利