子どもと公園というと、明るく楽しいイメージを持つ人がほとんどではないでしょうか?
しかし公園は子どもにとって楽しい場所である反面、完璧に安全で安心な場所とは言えないのが現実です。
幼児の連れ去り事件や性犯罪など、公園が現場になった子どもを対象とした犯罪が、実は頻繁に起こっています。
学校や地域からの不審者情報が「公園」が現場になっていることが多いと感じることはありませんか?
公園で安全に遊ぶには気をつけておくべきことを、親も子どももしっかりと知っておく必要があります。
今回は、子供が公園で犯罪に巻き込まれないための防犯対策を5つのチェックポイントにまとめてご紹介します。
危険な公園の特徴とは
安全な公園なんて実在しない?
まず、子どもを遊ばせるのが心配な「危険な公園」とはどんな公園でしょうか?
子どもがよく遊びに行く公園を思い浮かべて考えてみてくださいね。
・塀や樹木で周囲からの見通しの悪い公園
・高台にあり、周辺道路から公園内が見えない公園
・周囲に路上駐車が多い公園
・出入口が複数ある公園
・トイレが見えにくい場所にある公園
・周囲に民家がない公園
・ゴミが散乱している公園
・大型の遊具があるなど、死角のある公園
・利用者が少ない公園
・ベンチや遊具などの管理状態が悪い公園
・落書きが放置されている公園
どの公園も、この中のひとつぐらいは条件が当てはまるのではないでしょうか?
つまり、完全に安全な公園はほぼほぼ実在しないということなのです。
日本の公園の危ない特徴
欧米の公園との防犯対策の違い
公園は公共の場ですから、誰もが出入りできる場所として設計されています。
欧米でもその点では同じですが、日本の旧来の公園とは「構造」が違うのだそうです。
欧米型の公園では、広々とした公園でも遊具を一か所に集め、その周囲をフェンスで区切っています。
その中に関係のない大人がいたら目立つように設計されているのです。
それに加えて、フェンスの外側には遊具を背にするようにベンチが置かれています。
犯罪者がターゲットとなる子どもを探そうとすると、保護者と目が合いやすくなることを考えての配置です。
欧米の映画やドラマなどで、子どもを公園の遊具で遊ばせているシーンを見ると、たしかにこのような設計が多いことがわかります。
一長一短はあるにせよ、欧米では犯罪リスクが日本よりも重視されており、防犯に重きを置いた設計になっているということでしょう。
日本の公園も最近は防犯について設計段階で配慮されるようになってきましたが、欧米の公園のようにはじめから防犯を考慮した設計になっている場所はまだまだ少ないのが実情です。
公園で犯罪から子どもを守る5つのチェックポイント
完全に安全な公園は実在せず、しかも日本の公園では防犯を意識した設計になっていないことが分かりました。
その分、公園を利用する側が防犯意識を高く持ち、万全の対策を取ることが求められます。
では、公園での犯罪から子供を守るためのチェックポイントを5つご紹介しましょう。
1.公園の周囲を見渡せる位置に座る
これは、筆者が地域の親子護身術教室に出席したときに、講師の先生から教えてもらったことです。
日本では子供を見守るとなると、親の視線は子どもばかりに集中しますが、それでは子供は守れません。
子どものまわりに目を光らさなければ意味がないとのことでした。
欧米の公園で遊具を背にするようにベンチが置かれているのと同じ考え方ですね。
周囲を見渡せる位置に座ることによって、自分の子どもだけでなく、他の子どもも犯罪から守ることができるのです。
2.ゴミ箱をチェック
公園のゴミ箱にどんなものが捨てられているかをチェックしてみましょう。
その公園をどんな人が利用しているのかがわかります。
成人向け雑誌や酒の空き缶、注射器など、子どもに触れて欲しくないものが捨ててあったりしませんか?
そういったものが捨てられている公園では、もう子どもを遊ばせない方がいいでしょう。
3.親も定期的に公園へ行ってみる
小学生ともなると、子どもたちだけで公園に行くことが多くなります。
子どもに付き添うことがなくなっても、定期的に親の目で公園をチェックしておくことが大切です。
まだ小さかった子どもと一緒に行っていた頃の公園とは、レイアウトや利用する人達が変わっているかもしれませんよ。
4. 平日の様子をチェック
同じ公園でも週末と平日では様子が違うものです。
週末は親子連れで賑わう公園も、平日はタバコを吸いにくる人しかいないなどということもよくあります。
子どもが公園を利用する時間帯の様子を、知っておくことが大切です。
5.公園のトイレは極力使わない
公衆トイレは世界的にみても犯罪の多い場所です。
公園のトイレはできる限り一人では使わない方が安心です。
できれば、外出前に自宅で済ませていくことをオススメします。
もし、公園で子どもがトイレに行きたくなったときは、子どもが高学年であっても保護者は必ずトイレまで一緒についていき、できれば個室の前で待つようにしましょう。
子どもが異性の場合はトイレの入り口付近に立って、子どもを待っているのが他の人にわかるようにしましょう。
子どもだけで公衆トイレを利用する時には必ず友達と一緒に行き、決して一人だけで行かないことを約束させます。
その時に「公園のトイレは危ないから、一人で行ってはダメ」と言うだけでは、子どもにその危険性は伝わりません。
ニュースなどでトイレを悪用した犯罪の報道があったときなどを利用して、日頃から具体的に公園のトイレの危険性を伝えておくことが大切です。
以上、公園での犯罪から子どもを守るためのチェックポイントを5つご紹介しました。
公園の入り口付近には看板等で管理者が表示されているので、なにか気づいたことがあったら連絡してもいいですね。
地域に愛され、多くの人が関心を持っている公園は、安全な公園になりますよ。
まとめ
・公園は危険な場所でもあることを知っておく
・保護者は子どもがよく見える位置ではなく、公園の周囲を見渡せる位置に座る
・ゴミ箱から、その公園の利用者を知る
・公園のトイレはなるべく使わない
参考文献
小宮信夫(2015)『子どもは「この場所」で襲われる』小学館