皆さんは、2015年に起きた交通事故による死亡者ってどのくらいの数なのかご存知ですか?
1年間でどのくらいの人が交通事故で亡くなっているのかなんてわからないですよね。
最近では、安全運転支援システム搭載車の導入や自転車の使用により、交通事故が減っているんです。
そこで今回は、自動車事故の概要と死亡事故からわかる高齢者への危険性を見ていきましょう。
自動車事故の概要を見る!自動車事故は減ってきている?
ではまず、自動車事故の概要についてみていきましょう。
2015年における全国の交通事故死亡者は、4117人で、去年よりも0.,1パーセント増加しています 。
といっても、2014年度の交通事故死亡者は、戦後最少だったので、今年もほぼ変わらないという結果でした。
また戦後、一番最悪だったのは、1970年で、約1万6千人もの方が、交通事故で死亡しました。
1970年は2015年の約4倍もの人が交通事故で亡くなってしまっていることがわかります。
やはり1970年代は、高度経済成長で、急激に自動車の生産が増加したことが原因であると考えられます。
その当時は、道が舗装されていなかったり、信号機がなかったりと、事故が起きやすい環境だったに違いありませんよね。
近年では、安全運転支援システム搭載車の導入によって、前の車との追突を避けたり、自動で車がバックして駐車できたりと、事故を起こす危険性が少なくなってきています。
また、最近では、自然災害が多くなっているので、特に都会などでは、災害時に帰宅困難者にならないためにも、自転車を使う人が多くなってきました。
このように近年の自動車事故が減少しているきっかけとなっているのは、自動車事故にならないための環境が整ってきていると考えられます。
自動車事故による死亡者は減ってきているけれど、その多くは高齢者?
このように自動車事故は減少していますが、死亡者の約半数は高齢者となっています。
2015年の全国交通事故死亡者では、全体のうち、65歳以上の高齢者が2247人という結果でした。
これは全体の54.6%を占めています。
半分以上を高齢者で占めていることはとても驚きですよね。
最近では、高齢者が運転する車の自動車事故や歩行中による事故が問題となっています。
そして、交通事故によって死亡した65歳以上の高齢者の内容を見てみると、65歳以上の高齢者が死亡事故につながる状況として、最も多いのは歩行中となっています。
これは全体の約47%を占めます。
次いで、自動車乗車中は約29%、自転車乗車中が約17%という結果になっています。
高齢者事故が多い理由
高齢者の事故が多い理由には、老化による体力や判断能力の低下が要因にあります。
例えば、長い横断歩道で、青信号で渡り始めたものの、渡り切る前に赤信号に切り替わり事故に遭うケースがあると思います。
これは、交通ルールを守っているにも関わらず、本人の認識よりも実際の歩行スピードが遅いために、このような状況が発生してしまいます。
また加齢による視野の狭窄もあります。一般的には年とともに眼の機能は低下してきます。若い人達に比べると、視野が狭くなり、横からくる車に気付くことが遅くなります。
2つ目には状況の認知度が低下していることが考えられます。
以前私が車を運転しているときに、信号が赤信号になったので一時停止をしました。
私の前の車には、高齢者マークが付けられている車があったのですが、赤信号なのに、停止せず、オートマのクリープ運転によって、少しずつ進んでいました。
このままでは、横方向を走ってくる車とぶつかってしまうと思ったので、クラクションを鳴らし、相手に知らせました。
幸い、前の車の人は気づき、停止線を大きく超えたところで停止しましたが、もう少しでほかの車とぶつかってしまうところでした。
このように最近では、自動車事故による死亡者の数は減少しているものの、判断能力や危険意識が低くなっている高齢者の事故が増加しています。
私たちが車を運転するときは、前を走っている高齢者の車や横断歩道を歩いている高齢者に対して、優しい気持ちをもって対応していくことが求められます。
まとめ
・2015年の自動車死亡事故の件数は、さほど変わらない結果だが、減少してきている
・死亡事故の減少理由としては、自動車事故にならないための環境が整ってきている
・高齢者の死亡事故が増えているので、高齢者に対しては優しい気持ちをもって対応することが重要
参考サイト
◆警察庁 「交通事故発生状況」
◆株式会社リクルートホールディングス 【SUUMO介護】「2015年の交通事故死者数、高齢者が半数超え! その原因と背景は」
◆NPO法人 高齢者安全運転支援研究会 「高齢運転者の交通事故事例」