近年黄砂による健康被害や、環境・物への影響が問題視されるようになってきました。
黄砂飛来のピークは春先(2月~5月)です。黄砂飛来のピークに向けて黄砂の影響について理解を深め、黄砂対策を取り入れてみませんか?
黄砂とは?

黄砂は中国半島内陸部の砂漠地帯・乾燥地帯にある黄砂粒子が、偏西風に乗って飛来・浮遊・落下する現象のことです。
黄砂の発生条件は地表や気象条件によって左右されます。春先は「雪解けによって表面を覆っていた雪や氷が無くなる」「低気圧による強風が吹きやすい」「偏西風が強まる」など黄砂発生の条件が整いやすいため、一年で最も飛来量が多くなります。
黄砂は日本列島各地で観測されていますが、北日本・東日本よりも西日本で、太平洋側よりも日本海側でより多く観測されています。西日本の日本海側の地域に住んでいる人は、黄砂の被害を受けやすいと言えるでしょう。
黄砂による健康被害
①どんな健康被害があるの?
近年、黄砂による健康への影響や被害について注目されるようになり、調査が進められています。環境省は黄砂が健康に与える影響について未解明な部分が多いとしながらも、「アレルギー症状」「呼吸器疾患」「循環器疾患」を起こす可能性を指摘しています。
大気中の黄砂濃度が高まると、目・鼻・皮膚にかゆみなどのアレルギー症状を発症する事例が報告されています。また黄砂濃度が高いと花粉症の症状が悪化する事例が報告されていることから、花粉症を患っている人も注意が必要です。
黄砂には微生物や有害物質が含まれていることがあります。そのため、黄砂を吸い込むと気管支炎や喘息などの病気を患ったり、悪化したりする可能性があります。
慢性腎臓病といった持病を患っている人が、黄砂の影響で心筋梗塞を発症するのではないかという指摘も上がっているようです。
②健康被害を予防するためには?

黄砂による健康被害を予防するためには黄砂を吸い込まないことが大事です。外出時はマスクを着用するようにしましょう。マスクは使い捨てマスクを選び、顔とマスクの間に隙間ができないように密着させてください。
また空気中の黄砂濃度が高い日は、マラソンなど長時間の屋外運動は控えることが望ましいでしょう。
気象庁は黄砂の予測や分布を示す「黄砂情報」を発信しています。黄砂情報を活用し、黄砂が飛来する日・空気中の黄砂濃度が高い日を知って、予防に努めましょう。
黄砂による物・生活への影響とは
黄砂の被害は健康面だけではありません。車に積もると塗装に傷をつけることがわかっています。取り除く時も注意が必要です。黄砂が大量に付着したままスポンジで洗ったり布で拭いたりすると、車のボディに細かい傷がついてしまいます。まずは丁寧な水洗いで黄砂を落としてからシャンプー洗車を行ってください。
黄砂は洗濯物を汚します。黄砂が飛来している日は、洗濯物を室内干しにするようにしましょう。
黄砂が飛来すると視界不良が発生します。黄砂による視界は交通事故につながる恐れがあります。気象庁が提供する黄砂情報に目を通し、安全運転を心がけてください。
まとめ
・黄砂とは黄砂粒子が偏西風に乗って日本列島に飛来する現象のことである
・黄砂による健康被害が懸念されている
・マスクを着用して予防に努める
・車に付着した場合は、正しい手順で洗車を行う
・洗濯物は室内干しにする
参考サイト
◆環境省:「黄砂ってなに?」
◆環境省:「過去の黄砂飛来状況」
◆気象庁:「黄砂情報(予測図)」
◆環境省:「黄砂とその健康影響について」