年末年始休暇に引き続き、成人式を含めた、三連休の方もおられるでしょう。この、まとまったお休みに、車を使って旅行や帰省をする方も多いのではないでしょうか。車で長距離移動する時に気をつけたいのは、高速道路での交通事故です。2017年は高速道路における死亡事故が大々的に報道されました。東名高速道路における夫婦の死亡事故(2017年6月発生)や、中国自動車における親子の死亡事故(2017年10月発生)は記憶に新しいのではないでしょうか。
年末年始は交通量が全国的に増加する時期です。それに伴い、高速道路上での事故率増加も懸念されています。万が一の時に慌てたり命を落としたりしないためにも、高速道路で交通事故に巻き込まれた時にどのような対応を取るべきか、この機会に学んでおきましょう。
まずは車を停止させる
高速道路を運転中に事故を起こしたり車にトラブルが生じたりした時は、そのまま運転し続けてはいけません。無理に運転を続けると、周囲を巻き込んだ大事故に発展する危険性が高まります。高速道路上で交通事故を起こした・巻き込まれた時、故障した時は、まず車を安全に停止させることを考えましょう。
車を停止させる時は、二次的な事故を引き起こさないように配慮する必要があります。事故を起こした場所で急停止したり、急ブレーキや急ハンドルで車を移動させたりすると、後続車を巻き込む大事故に発展します。二次的事故を避けるためにも、車を停止させる時はハザードランプを点灯させて後続車に異常を知らせるとともに、急ブレーキや急ハンドルを避けながら路肩に寄せて停止させましょう。
なお、橋の上やトンネル内など路肩が無い場所・狭い場所では、できる限り路肩が広い場所まで運転してから車を停止させましょう。
同乗者を避難させ、事故の発生を後続車に知らせる
車を停止させたら、まずは同乗者を避難させます。避難をさせる時は、ガードレールの外側に出るよう指示をしましょう。決して道路内に留まらせてはいけません。
同乗者の避難開始と同時に、ドライバーは事故の発生を知らせる処置を行います。後続車に注意しながら、停止させた車の後方50メートル以上の位置に「発炎筒(発炎筒は車からガソリンが漏れている時や、トンネル内では使用できないので注意しましょう)」や「停止表示機材」を置いてください。
高速道路上で車を停止させる場合は、停止表示機材を置くことが法律で定められています。高速道路を利用する時は、停止表示機材が車に積んであるかどうかを確認してから利用するようにしましょう。
また、停止表示機材や発炎筒を設置する時には、ドライバー自ら後続車に注意して、安全の確保に努めて下さい。
ドライバーも安全な場所に避難する
発煙灯や停止表示機材を設置した後は、ドライバーも直ちに非難を開始します。避難をする時はガードレールの外側に出るのが望ましいですが、外側に避難するスペースがない場所(橋の上など)では、できる限りガードレールに身を寄せるようにしましょう。
避難をする時は停止させた車より後方に避難をするようにしましょう。これは停止させた車に後続車が追突した時に、巻き添えにならないようにするためです。
事故の発生を連絡する
高速道路で事故を起こした場合は事故の発生を知らせ、救助を頼む必要があります。携帯電話を所持している場合は携帯電話で、所持していない場合は高速道路上に設置されている非常電話を使いましょう。非常電話は1キロメートル(トンネル内では200メートル)ごとに設置されています。
高速道路での緊急連絡先は「道路緊急ダイヤル(#9910)」「110番」「JAF(#8139)」です。非常電話は受話器をあげると自動的に道路管理者交通管制室につながります。事故を起こして戸惑っているかもしれませんが、事故発生の連絡をする時は正確な情報を伝えましょう。「どのような事故が発生したのか」「どこに車を停止させたのか」「負傷者がいるかどうか」を伝えるとスムーズです。車を停止させた場所は「キロポスト」と呼ばれる距離表示板を目安に伝えましょう。
まとめ
・高速道路で事故を起こした場合はハザードランプを点灯させ、急停止・急ハンドルを避けて路肩に停車させる
・発炎筒、停止表示機材を設置し、後続車に事故の発生を知らせる
・避難をする時は「ガードレールの外側」「停止させた車の後方」が鉄則
・「#9910」「110」「#8139」に連絡し、事故の発生を知らせる
参考サイト
◆政府広報オンライン:「高速道路の安全ドライブ3つのポイント」
◆JAF:「クルマなんでも質問箱」