警察庁統計資料「平成28年における交通事故の発生状況」によると、平成28年の交通事故発生件数は49万9201件に上ります。交通事故が多発する中、自分が交通事故を起こしていなくても、交通事故を目撃する、あるいは遭遇することもあるかもしれません。第三者として交通事故に遭遇した時は、どのような対応や行動をとればよいのでしょうか。今回は負傷者が発生している前提でお伝えします。
警察や消防に連絡をする
交通事故を起こしたら警察や消防に連絡をするのが義務です。ところが交通事故を起こした当事者は、パニックになったり放心状態に陥ってしまったりして、適切な行動が取れない場合があります。そのため交通事故を目撃・遭遇した時は、当事者に警察や消防に連絡したかどうかを確認し、「していない」と答えた場合は連絡をしましょう。
負傷者がいる場合は、意識の有無・傷の大小にかかわらず、速やかに119番通報をしてください。「交通事故直後は興奮していて痛みを感じていなくても、後々から痛みを感じることがある」「目に見える傷を負っていなくても、頭部や内臓などが損傷している可能性がある」からです。
警察や消防に連絡をする時は、事故が起こった場所や現在の状況を適切に伝える必要があります。場所を伝える時は、信号機の横に表示されている交差点名などを伝えるようにすると、理解してもらいやすくなります。
怪我人の応急処置を行う
救急車が到着するまでは怪我人の応急処置を行いましょう。まずは怪我人の意識の有無を確認します。意識を確認する時は、肩を軽く叩きながら「大丈夫ですか」と呼びかけ、反応があるかどうかを確認しましょう。この時に呼吸の有無や脈拍なども確認してください。
怪我人が出血を伴う怪我をしている場合は、怪我をしている場所を清潔なタオルやガーゼで圧迫し、止血を行います。警察や消防に通報している場合は、怪我人救護について具体的な指示がある場合があります。指示があった場合は、それに従うようにしましょう。
怪我人に意識があるものの興奮している場合は、落ち着かせてあげることも大切です。怪我人に寄り添いながら「大丈夫だよ」「もうすぐ救急車がくるからね」など、安心する言葉をかけ続けてあげましょう。
二次被害の防止を行う
交通事故の二次被害というと高速道路での交通事故を想像しますが、一般道であっても道路の真ん中や交差点で交通事故が起こると、後続車などが巻き込まれて被害が拡大する可能性があります。交通事故に遭遇した時は、周囲に事故の発生を知らせて被害を最小限にとどめることも大切な行動です。
具体的には事故車両を路肩に寄せ、ハザードランプを点けるように促しましょう。バイパスや幹線道路など交通量が多い場所や、夜間の事故であった場合は発煙筒を使用して、後続車に事故の発生を知らせることも効果的です。
まとめ
・交通事故に遭遇した時は、警察や消防に連絡をする
・怪我人がいる場合は、怪我人の救護を開始する
・事故の二次被害を防ぐため、周囲に交通事故が発生したことを知らせる行動を取る