「日本は、今や『安全な国』ではなくなった」とはよく言われることではあります。しかしそれでも、治安は諸外国に比べると決して悪くはありません。日々の生活のなかで、スリなどにあう可能性は、治安の悪い国と比べるとずっと低いといえます。
海外で多い犯罪のうちの一つが「スリ」ですが、今回はその「スリ」の手口のひとつとして、小銭を使ったものを取り上げます。
足元に小銭が落ちて来たらどうする?

歩いているときに、足元に小銭がころころと転がってきたら、多くの人がその小銭に目を落とすのではないでしょうか。「すみません、小銭を取り落としてしまって」「財布の口が閉じていなくて」と小銭を探している人がいたら、小銭を拾い上げてその人に渡すことでしょう。
しかしこのような「何気ない日常の行為」「親切心からの行為」が、スリに隙を見せることに繋がってしまいます。
小銭を拾うとき、人の意識は当然小銭に向きます。そのときに手元から荷物を離してしまったり、肩掛けやベルト式のカバンを使っていたとしても一瞬無防備になったりします。その隙を狙って、スリがさっと財布や荷物をかすめとっていくのです。
この「小銭をばらまいて、それに注意を払っているときに行われるスリ行為」は、複数犯によって行われることもあります。
基本は「手から荷物を離さない」

小銭をばらまき、それをきっかけとして行われるスリの対策として有用なのは、やはり「荷物から手を離さないこと」です。特に「手に持っている荷物」は一度地面に置いてから小銭を拾おうとする人が多いかと思われますが、地面には置かず手に持ったまま拾いましょう。また、肩掛け鞄はコートの下などに入れておき、しっかりとファスナーを抑えた状態で拾うのもよいでしょう。
ただ、このような対策をしていても、スリにあう可能性はゼロではありません。冷たいと思われるかもしれませんが、小銭が落ちていてそれを追いかけている人がいても、あえて無視をするのも防犯対策としては有用です。
まとめ
・小銭をばら撒き、それを拾おうとする人の親切心につけこんでサイフをすったり荷物をかすめとったりする犯罪がある
・拾う時は絶対に荷物から手を離さないことが重要
・肩掛け鞄などの場合はファスナーの口を押えた状態で身をかがめるべき
・防犯の観点から言うのであれば、足元に小銭が散らばっても頓着せずに無視をするというやり方も有効である