入学や就職の時期と重なる新年度は、電話番号やメールアドレスといった個人情報を交換する機会が増加します。個人情報を交換することで交遊の輪が広がることが期待できますが、その一方で流出や悪用される危険も隣り合わせです。後からトラブルに巻き込まれないためにも、個人情報を交換する時の注意点について考えてみましょう。
個人情報とは?
個人情報保護法では、個人情報とは生存する個人に関連する情報のことで、複数の情報を組み合わせることによって特定の個人を識別することができる情報のことであると定められています。
個人情報には様々なものが該当します。住所、氏名、性別、生年月日といった基本的な情報から、思想信条、病歴、借金の有無といった情報も個人情報に該当します。この他にも顔写真、顔などが識別できる映像、音声データなども個人情報に当たると考えられています。
個人情報を交換する時の注意点
利用意図を明確にしてもらう
高度情報化社会では、個人情報をひた隠しにしたまま社会生活を営むのは困難です。一方で流出や悪用を防ぐためにも、個人情報がどのような意図で収集・交換されるのか、個人情報を教える前にきちんと確認する必要があります。利用意図が不明確な場合や怪しいと感じた場合は、個人情報の開示を毅然と拒否しましょう。自分の情報を守ることができるのは自分自身なのです。
必要な情報だけを教える
新年度は交友関係の拡大や連絡手段の確保のために、個人情報を交換する機会が増えます。個人情報を交換するにあたって気をつけたいのは、必要ない個人情報を教えないようにすることです。電話番号をメールで交換する時に、住所や顔写真まで一緒に送信してしまうといったミスに気を付けましょう。
また、新年度は名刺交換をする機会が増加します。学生やフリーランスで仕事をしている人の中には、名刺に自宅住所・プライベート用の電話番号・顔写真などを記している方もいるのではないでしょうか。自宅住所や顔写真などの個人情報を名刺に開示する行為は、ストーカーや空き巣などの犯罪に巻き込まれる可能性を生み出します。学業や仕事に直接関係の無い情報を記入するのは止めるとともに、住所などの個人情報は活動上必要になった時に初めて教えるようにしましょう。
個人情報がインターネット上に流出する危険について考える
SNSの拡大に伴い、個人情報をインターネット上でやり取りする機会が増加していますが、インターネット上で個人情報を交換・開示するという行為には、様々なリスクが潜んでいます。
SNSの利用者の中には、嘘をついたり成りすましをしたりして個人情報を収集する人がいます。不正に集められた個人情報は流出・悪用されやすいので、SNSで仲良くなった相手に気軽に個人情報を教えるのは止めましょう。また、インターネット上で個人情報を自ら公開している人がいますが、こうした行為はとても危険です。インターネット上に公開した個人情報から個人が特定されると、ストーカーや詐欺のターゲットにされる可能性が高まります。インターネット上で嫌がらせをされる「ネットストーカー」の被害を受ける可能性もあります。
インターネット上に公開された情報は瞬く間に拡散していきます。公開した情報を削除したとしてもそのコピーが拡散し続けることがあり、一度公開された情報をインターネット上から完全に削除するのはとても難しいでしょう。個人情報がインターネットを通じて不特定多数の人に知られているという恐怖感も、とても耐えがたいものです。個人情報をインターネット上で交換・開示する時は、流出の危険性も念頭に置きながら慎重な行動を心がけてください。
まとめ
・個人情報とは個人に関する情報のことであり、複数の個人情報を組み合わせると特定の個人を識別することができる
・個人情報を教える時は、利用意図を確認する
・必要の無い個人情報まで教えない
・インターネット上での個人情報のやり取りは、特に気を付ける