災害が起きた時に高齢者の方は、どのように避難するのがベストなのでしょう。一口に高齢者の方といっても、一人暮らし・配偶者と二人暮らし・家族と同居・要支援認定・要介護認定などなど、さまざまな状況が想定されます。それを一様にして「高齢者の避難方法」と解説できないのが現状です。では、どうすればよいのか。高齢者の方のパターンに応じた対応が必要となってきます。ただ、共通していえるのは「地域とのつながり」を持っておくことです。今回は、高齢者の方のパターンに応じた避難方法を解説していきます。
一人暮らし・配偶者と二人暮らしの高齢者のケース
一人暮らしもしくは配偶者と二人暮らしの高齢者の方で、要介護認定を受けていない方は、先ず自治体が管理している、避難行動要支援者名簿(旧災害時要援護者台帳)への登録を行ってください。地区の民生委員に頼めば申請をおこなってもらえます。避難行動要支援者名簿へ登録しておけば、自治体から地域の民生委員や児童委員へ要援護者である旨が伝えられます。災害時だけでなく普段の日常から声かけ活動を行ってもらえるので、安心することができるのです。万一の災害時も「高齢者等避難」が発令されたら、できるだけ避難の確認をしてくれますので、未登録時よりも数段安心度が高まるでしょう。
・65歳以上の一人暮らし高齢者または高齢者のみの世帯は台帳へ登録される
・登録後は意思確認を求められるので必ず「同意」しておく
・登録されると普段から民生委員が声かけをしてくれるので安心できる
・要援護者なので災害時も安否確認をしてくれる
家族と同居の高齢者のケース
家族と同居であれば安心できるかもしれませんが、家族が不在の時に災害が起こる可能性もあります。ですから、避難方法などを普段から家族と話をしておく必要があるのです。家族と同居の高齢者の場合、基本的に避難行動要支援者名簿への登録はされません。もしも要介護3以上、重度の障害がある場合は台帳への登録は行われますので、先のケースを参考にして頂くとよいでしょう。そうでない場合は、家族の方と避難方法や支援先を話し合って、地域の協力を得る必要がありますよ。
自宅避難ができるならムリに避難所にいかない
体の不自由な方にしても、そうでなくても元気に歩けない高齢者の方は、自宅避難ができるかどうか確認しておいてください。大丈夫であれば、ムリに避難所にいくのではなく、自宅の2階に垂直避難することをおススメします。高齢者の方によくある失敗は、「必ず避難所に逃げないといけない」と、思い込んでしまうことです。ムリに避難所に向かえば途中でケガをするリスクが高まります。自宅が大丈夫なケースは多くありますので、ハザードマップで確認しておいてくださいね。
・ハザードマップで自宅の安全を確認
・垂直避難できるなら自宅避難をしよう
・避難所に絶対行く必要はない
避難所に逃げないとダメなケース
自宅避難が無理でどうしても避難所に逃げないとダメな場合は、とにかく早く非難を初めましょう。突然起きる地震はどうしようもありませんが、台風や大雨などは予め高い確率で状況を把握することができます。スマホがなくてもテレビやラジオの天気予報や速報を、注意して確認しておく必要があるのです。
・警報がでそうな状況なら注意報の時点で避難準備を始める
・警報が発表された時点で避難開始
・歩くのが無理ならタクシーを使ってでも避難所に向かう
孤立しないで普段から地域と関りを持っておく
面倒だからと地域の行事に参加しないで、孤立するのはよくありません。助けてもらうには、「ここに私はいますよ」と、主張しないと伝わらないのです。なにも難しいことではなく、1年に1回の防災訓練に参加するとか、民生委員と話をするなど地域と関りを持つことで、災害時に助けてもらえる確率がグンとアップするのです。
まとめ
・避難行動要支援者名簿へ登録しておこう
・普段から民生委員の方に相談する
・自宅が安全なら自宅避難で大丈夫
・避難所に逃げるならとにかく早めに行動
・地域とのコミュニケーションは重要