MFAといった救命救急法の指導を受けているときに、初期の評価という言葉を聞いた事はありますでしょうか?
初期の評価は大切な家族を助けられるかどうかを判断する救急救命法で重要なポイントです。
今回は初期の評価とは何なのかと覚えておきたい事を詳しく説明します。
初期の評価とは何か
一言で表すならば、評価=チェックする事だとと考えてください。
それでは、何をチェックするのでしょうか? 具体的には次の流れで行います。
体の具合いが悪そうな人がいる又は、倒れている(発見)→その人に近寄っても大丈夫か?(置かれた環境のチェック)
→意識の確認(意識の有無のチェック)→呼吸・脈の確認(呼吸・脈のチェック)
となります。
この中で、簡単に流されてしまうのが、置かれた環境のチェックです。
落ち着いている時は普通に判断できていても、突然の緊急時には、普段やらないとんでもない過ちをしてしまいます。
救急救命法をしなければならない状況は特にそうです。
「人が倒れているー!!」と、ほとんどの人が舞い上がってしまいますよね。だから、車の往来が激しい道路でも、河川・海などの危険な場所でも、早く助けなければと思い、現場に入ってしまい二次災害に巻き込まれる方も少なくありません。
逆に、怖くて立ちすくんでしまう事もありますね。
でも、どうしてもやらねばならないときには、それに関わる人の安全をチェックする意味で次の言葉を紹介します。
SETUP(セットアップ)とは
安全をチェックする行為の頭文字をとったものですが、意味は下記のとおりです。
S→STOP ちょっと待て、大まかな危険をチェック。
E→ENVIRONMENT 周囲の環境、状況をチェック。
T→TRAFFIC 路上では交通に気を付けて!
U→UNKNOW HAZARD 見えない危険に注意して(ガス・薬液など)
P→PERSONAR SAFETY 個人防護、保護用バリア等を使いましょう!
要は、一呼吸置いて、周りを見なさいということです。
人を助ける時にも「自分の安全を確保する事が第一」だと覚えておきましょう。
助けるかどうかの判断
自らの安全を確保したら、精神的・肉体的に相手を助ける事が出来るかどうかを判断します。複雑に考える必要はありません。
出来ないと思ったら、消防・救急隊といったプロに任せましょう。
プロに任せる為には、連絡しないとならないですよね。
そこで通報をするのですが、二次被害に会う危険を冒してまで現場まで行く必要はありません。もし、自分の安全が確保出来ているならば患者の意識確認後でも構いません。
これが、MFAでの初期の評価の中の環境・情況の評価(チェック)となります。
救急救命法を習っていた方でも意外と解かったつもりで理解してなかった部分ではなかったでしょうか?
私も、インストラクターになってから、しっかりと理解して整理できましたから最初は非常に難しいかもしれません。
これは、普段の生活でも、災害現場でも、銃弾や砲弾が飛び交う戦場でも同じです。私は自衛隊OBですが、自衛隊の考え方で戦いながらケガの応急処置を行うというものがあります。
「安全な所なんてない!」と思ってしまうような環境を想定するのです。
負傷者が出た場合、そこに駆けつけるのが良いのかどうかを判断します。弾が撃ち込まれているところでは、自分も二番目の負傷者になる可能性が高いのです。
そんな時とる行動は、先ほど言った通報になります。
“あそこで負傷者がでているぞー”と、仲間に伝え(通報)、仲間の援護の下で負傷者に取りつき手当てを施すか、行けなければ、意識がある負傷者は自分自身で手当てさせます。
如何でしょうか? 初期の評価の環境のチェックの、イメージはできたでしょうか?
次回は、人体の評価(チェック)について紹介致します。
まとめ
・初期の評価とは自らの安全と相手を助けられるかを判断する事。
・助けられないと思ったら助けを呼ぼう。