みなさんは、救急車を呼ぶ目安をご存じでしょうか。救急車は、急病人や負傷者を迅速に医療機関に運ぶ為のものです。救急車の数や救急隊員の人数には限りがあります。緊急性がない場合は、救急車を要請するべきではないでしょう。
ですが、緊急性が高いはずなのに救急車を要請せずにいれば、命に関わる事態になりかねません。救急車を呼ぶべきなのか判断がつかない人は多くいます。今回は救急車を適正に利用する為にも、救急車を呼ぶ目安についてご紹介いたします。
救急車を呼ぶべき目安
それでは、救急車を呼ぶべき症状の目安を「成人」「15歳以下の子ども」に分けてご紹介いたします。これから紹介する症状以外にも、明らかに普段とは違う様子が見られたら「119番」通報し、救急車を要請しましょう。
救急車を呼ぶべき目安(成人)
成人の場合は、次のような症状に注意しましょう。
・突然の激しい頭痛や高熱
・その場に立っていられないほどの急なふらつき
・突然胸や背中に激痛が生じる
・急な息切れや呼吸困難
・胸や背中に生じた痛みが移動する
・胸の中央が圧迫されるような痛みが2~3分続く
・手足に突然のしびれが生じる
・片方の手足に突然力がはいらなくなる
・顔半分が動きにくなったり痺れが生じる
・笑った時、顔の片側がゆがむ
・ろれつが回らない
・突然視野が狭くなったり二重に見えたりする
高齢者の場合は、突然の激しい腹痛が現れたり、血を吐くといった症状が見られた時も救急車を要請するべきでしょう。
救急車を呼ぶべき目安(15歳以下の子ども)
子どもの場合は、次の症状が現れた時が救急車を要請する目安となります。
・突然の頭痛やけいれん
・頭を強打した後出血が止まらなくなったり、意識障害やけいれんがある
・激しい下痢や嘔吐で水分がとれず、意識障害がある
・嘔吐が止まらない
・便に血が混じる
・激しいお腹の痛み
・顔色が悪い、唇が紫色
・激しい咳やゼーゼーという喘鳴があり呼吸が苦しい
・呼吸が弱くなる
・手足の硬直
他にも、虫刺されによって全身に蕁麻疹が現れたり、顔色が悪くなった時も注意しましょう。
年齢問わず救急車を呼ぶべき目安
成人と子どもに分けて救急車を呼ぶべき目安を紹介しましたが、年齢にかかわらず、下記の症状が現れた時も注意が必要です。
・返事がない、もうろうとしている等の意識障害
・けいれん
・けいれんの後、意識が戻らない
・大量出血
・広範囲のやけど
・のどに詰まらせて呼吸困難に陥ったり意識がない
・冷や汗を伴う強烈な吐き気
当てはまる症状が現れたら、緊急性が高い可能性があります。速やかに救急車を要請しましょう。
救急車を呼ぶべきか迷ったら全国版救急受診アプリ「Q助」を利用する
突然のことで、救急車を呼ぶべきか冷静に判断することが難しい場合があるはずです。このような時は、全国版救急受診アプリである愛称「Q助」を利用しましょう。
Q助とは、総務省消防庁が作成したアプリです。症状を選択していくことにより、救急車を要請するべきか、引き続き様子をみるべきなのか等が表示されるので、どのような対応をするべきかの目安になります。
Q助は医療機関や受診手段の検索も行うことができます。アプリだけではなくWeb版もありますので、必要に応じて利用しましょう。
救急車が来るまでにするべきこと
救急車を要請してから現場に到着するまでの平均時間は、約8分と言われています。
救急車が来るまでの時間に、下記のものを用意しておくといいでしょう。
・保険証
・診察券
・お金
・いつも飲んでいる薬
・おくすり手帳
・靴
体調不良・もしくは事故に遭ったのが乳幼児だった場合は、母子手帳や紙おむつ、哺乳瓶やタオル等も用意するといいでしょう。
まとめ
・救急車を呼ぶべきか迷ったら全国版救急受診アプリ「Q助」を使用する
・救急車が到着するまでの時間は約8分
・救急車を要請した後は保険証や診察券、必要に応じて母子手帳や紙おむつを用意する
・普段とは違う様子が見られたら「119番」通報する
参考サイト
◆政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報 どんな場合に、どう呼べばいいの?もしものときの救急車の利用法
◆総務省消防庁 救急車の適正利用