毎年、この時期になると防災関連のイベントが全国各地で行われています。
毎年9月9日は救急の日でした。
ここで救急車の正しい呼び方を考えてみませんか?
救急車は限りある資源です。
「天災は忘れた頃にやって来る」とありますが、ここ最近は忘れる前に振り返る機会が多々あり、私たちに何が必要なのか改めて問われている様な気がします。
救急車を呼ぶときの判断基準、あなたはどれだけ知っていますか?
すぐに救急車を呼んでほしい場合
①意識や反応に障害がある
呼びかけても返事がなかったり体がぐったりしているとき
全身の脱力感やもうろうとした状態
②けいれん
けいれんが一向に止まらないとき
かりにけいれんが止まっても意識障害が出てきたとき
③広範囲な火傷
一般的には身体の全表面積15~20%以上を広範囲としています。
火傷の面積の目安
・身体の前(裏)面全部:18%
・片腕全部:9%
・片脚全部:18%
・頭全部:9%
広範囲な火傷は血圧が一気に下がり意識障害に陥ってしまいます。
すぐに流水で冷やして救急車を呼びましょう。
④大量の外傷性出血
・動脈性出血
傷口から血液が噴射のように噴き出る出血(フレッシュな鮮紅色)で一刻を争います。
・静脈性出血
大量にドロドロ流れる出血で暗赤色です。
外傷性出血の場合はまず止血です。
現在は直接圧迫止血法が推奨されています。
従来の間接圧迫止血法は、神経や筋肉を痛める危険性があり実施されておりません。
可能であれば傷口を心臓よりも高くすることで止血効果が期待できます。
⑤吐血と下血
・吐血は消化管出血が強く疑われてきます。
コーヒー様の残渣物が特徴で大量の吐血になると生命の危険があります。
なお、喀血は呼吸器系の疾患です。
喀血は咳と一緒に血液そのものを吐く状態です。
真っ赤な鮮紅色で泡が混じることが特徴です。
・下血は消化管出血です。
黒色のタール便が特徴です。
過度なタール便は緊急度が高くなってきます。
意識障害を観察して救急車を呼べる状態にしていきましょう。
危険なバイタルサイン
①血圧の境界値
最高血圧:150mmHg以上
最低血圧:95mmHg以上
血圧計がない時は頸に手を当てて頸動脈の拍動をみます。
拍動があれば最高血圧60mmHg以上ある目安となります。
なお60mmHgは生命に危険を与える値で一刻を争う状態です。
②脈拍の正常値
1分間の脈拍数:60~80回/分
リズム不整や結滞は疲労が蓄積してくると健康な人でもみられます。
40回/分未満の徐脈は危険な値です。
意識や呼吸の状態も同時に確認します。
③呼吸の正常値
1分間の呼吸数:15~20回/分(約4秒間に1呼吸が目安)
正常な呼吸は胸の動きをみると左右対称になっています。
浅い呼吸は異常な呼吸です。
下顎をピクピクさせた呼吸は下顎呼吸と呼ばれ、死期の直前に現れてきます。
すぐに救急車を呼びましょう。
④体温の正常値
36~37℃
高熱同様、低体温も生命を左右する危険な値です。
まとめ
・意識や呼吸に障害があるときはすぐに救急車を呼ぶ
・広範囲な火傷や大量出血も緊急性が高い
・危険なバイタルサインを知る