最近はアスクルの倉庫火災や各地で火災が発生しております。冬は乾燥した風の吹く日が多くなり一年のうちでも火災の最も多い季節です。もしも火災が起きたらどの様にすればいいのか気になりませんか? 乾燥した環境では、炎も燃え広がり易くなっています。
特にマンションの様な集合住宅では、自分たちは火災を起こさなくてもご近所が火元になってしまうという事も考えられます。
マンションでは大勢の人が住むので防火基準も厳しくなっておりますが、どの様な防火設備を備えているのでしょうか? 具体的な例を調べてみました。
自動火災報知器
火災の発生を見つける
全ての住宅には火災報知器を取り付ける事が消防法によって義務付けられています。
マンションは特に厳しくて各住居内に付けられる様に定められています。
加えて共用スペースの廊下にも自動火災報知器を取り付ける様になっています。
天上に貼り付ける円形やドーム型の機械が火災報知器ですが、火災報知器には複数の探知方法があります。「熱を感知」するものと「煙を探知」するもの、「炎を直接確認」するものや「一酸化炭素を検知」するものがあり、いずれも探知距離や特性が異なるので、近年は複合型の火災報知器も作られています。
火災報知器で探知した火災は、受信機などの情報をまとめる機械に信号が送られた上で火災発生を知らせるアラームを鳴らし、消防等へ通報を行います。
消火栓とスプリンクラー
初期消火の重要な設備
4階建て以上の大きなマンションになると消火栓とスプリンクラーの設置が義務付けられます。
消火栓は、金属製ボックスの中にホースが入っていて直ぐに放水出来る屋内消火栓と呼ばれる物が主流で、赤い目立つ位置にある起動スイッチを押すと警報と共に給水ポンプが起動する様になっています。
個人で扱えるタイプもありますが通常は二人で操作する必要があり、消防車が到着するまでは一番消火能力が高い設備でもあります。
加えて11階以上の階層にはスプリンクラーを取り付ける事が消防法に定められています。
水を室内に散布する事で「初期消火を行う設備」で、「火災が大きくなる事を防げる」効果的なものですが欠点として高価である事と広い範囲に水を撒くので火災よりも浸水被害が大きくなる事もある事が挙げられます。
いずれも目の前に荷物を置いたりしていると、いざという時に消火活動が出来なくなる可能性があるので、普段から気を付けるようにしましょう。
防火扉
火災が広がるのをシャットダウンする。
火災は燃える物を伝って広がっていき、煙は瞬く間に避難する人たちへ襲い掛かり逃げる事を妨げます。
防火扉は不燃性の金属の扉で避難経路へ炎が入り込む事を防ぐと同時に、煙が侵入してくるのを防ぐ重要な役割があります。
2001年9月1日に発生した歌舞伎町雑居ビル火災では防火扉の前に荷物が置かれ開いたままだった事が原因で、炎が燃え広がってしまった事が44名もの方々が亡くなった原因とされています。
避難梯子
高い場所から避難する最後の手段
火災が下の階で起こった時に非常階段も使えないという事態が発生する事が考えられます。
4階以上の建物にはベランダに避難梯子を備える事が定められており、緊急時に脱出できる様にされています。
高い建物では消防の梯子車などによって救助を行いますが、自力で降りる必要がある時には頼りになる存在です。
ただ、高い場所から不安定な梯子を伝って降りる事になるので高所恐怖症の人にとっては非常に辛い脱出方法でしょう。
マンションのベランダから下の階に降りる非常用梯子が備えられていると思いますが、簡単なロック機能が付いているタイプもあるため、防火設備点検などの機会を利用して必ず確認しておいてください。イザという時は慌てていて、「簡単なロックを外せない」という事が無いようにしましょう。
歌舞伎町雑居ビル火災では、避難梯子の上にも荷物が置かれ、窓も広告看板等に妨げられていたため、これを活用して脱出する事が出来なかったとされています。
マンションは大勢の人が暮らす場所ですから、火災が起こる可能性も少なくありません。
火災から命を守る設備の重要性が一層強くなる訳ですから、マンションに住む方は一度どんな防火設備があるのかチェックしてみるといいでしょう。
まとめ
・自動火災報知器は各住居に設置が義務付けられている
・消火栓とスプリンクラーは初期消火で重要な役割を果たす
・防火扉は避難経路を確保する為に重要な存在
・避難梯子は最後の避難手段