風邪シーズンの到来とともに、マスクを着用する人が増えてきています。マスクには「風邪を他人にうつさない」役割と、「風邪を予防する」効果があります。今回はマスクの役割やマスクを着用する意義についてお伝えするので、今年の冬は「風邪にかからない」「風邪にかかっても他人にうつさない」ことを目指してみませんか?
「咳エチケット」という言葉を知っていますか?
風邪の原因となるウイルスや菌の多くは、患者の咳やくしゃみ(飛沫)を介して感染すると考えられています。咳やくしゃみ1回につき約10億個のウイルスが、2~3メートルに渡って拡散します。周囲にいる人に風邪をうつさないためにも、咳やくしゃみなど風邪の症状がある時は、マスクを着用するようにしましょう。
厚生労働省は「咳エチケット」というスローガンを掲げ、咳やくしゃみをする時はマスクやティッシュ・ハンカチで口や鼻を覆い、周囲に飛沫が飛び散らないように配慮するように呼びかけています。
社会生活を営むうえで、感染症を拡大させないように努めることはとても大事なことです。健康な大人であれば数日程度で治る感染症であっても、子ども・高齢者・持病がある人が感染すると重篤な症状を引き起こすこともあります。風邪など感染症が疑われる症状がある時は周りの人の健康にも配慮し、咳エチケットを徹底するようにしてください。職場・学校・電車やバスの車内など多数の人が集まる場所に出かける時は必ずマスクを着用し、一層の配慮を心がけましょう。家族が感染症にかかった場合は、家の中でもマスクを着用してもらい、他の家族に感染するリスクを下げましょう。
マスクは風邪予防にも役立つ
マスクは感染症に罹っている人が周囲に飛沫を飛ばさないため(風邪をうつさないため)に役立つアイテムですが、風邪予防にも一定程度の効果があると考えられています。
① 飛沫感染のリスクを下げる
感染症の感染経路は、主に「飛沫感染」「空気感染」「接触感染」「経口感染」の4つに分けることができます。毎年冬に大流行するインフルエンザは飛沫感染(咳やくしゃみなどに含まれる感染源を吸い込むことで感染する)であると考えられていますが、マスクを着用することにより患者から発せられる咳やくしゃみに直接触れる機会を軽減することができます。
飛沫感染リスク軽減のためのマスクは、「使い捨てタイプ」「飛沫カット効果があるもの」といった点に着目して選びましょう。
② 感染源が付着した手で口や鼻に触れないようにする
ウイルスが付着した手で目や口に触れてしまうと、感染症に罹るリスクが高まります。マスクを着用しておけば手で口や鼻を触る機会をシャットアウトできるため、風邪の予防につながると考えられています。
③喉や鼻の乾燥を防ぐ
喉や鼻の粘膜が乾燥すると、バリア機能が低下してしまい、感染症に罹るリスクが上がります。マスクを着用すると自分の呼吸で鼻や喉を保湿することができるため、喉や鼻の粘膜が乾燥することを防ぐことができます。喉や鼻のコンディションを維持したい時や、寝起きに喉が痛む場合などにマスクを着用すると、乾燥を軽減することができます。マスクには様々な種類がありますが、不織布マスクよりもガーゼマスクの方が、保湿効果が高いと考えられています。
まとめ
・マスクには感染を拡大させない効果がある
・咳やくしゃみなど風邪の症状がある時はマスクを着用する
・マスクは風邪予防にも一定の効果が期待できる