警察に通報する手段として真っ先に思いつく方法として110番に電話することが挙がると思います。
2016年に纏められた平成26年度警視庁統計資料「110番と緊急配備」を確認すると、年間総計1796947件の110番通報が電話で行われていたことが分かります。
しかし、耳が遠い高齢者や聴覚に不自由している方は電話を掛けることは出来ても、電話口の警察官とコミュニケーションを取るのが難しく、緊急時の対応が取れなくなってしまいます。
そこで今回は、メールといった電話以外の110番通報のやり方を紹介します。
メール110番とは
チャット機能を用いてリアルタイムに対話も
メール110番の仕組みは各都道府県警によって異なりますが、大きく分けて以下の2種類が存在します。
①メール送信方式
大阪府警などが導入している方式で、専用のメールアドレスへ携帯電話などから用件・現在地・氏名を入力して送信する方法です。
携帯電話の写真撮影機能を用いた画像送信にも対応しており、初動調査に於ける重要な情報源にもなります。
アドレスは県警により異なり、導入していない場所もあるので注意しましょう。
②文字対話方式
神奈川県警などが導入しているインターネット上のチャット機能を用いて文章のやり取りをする方式で、携帯電話などからアクセスして利用します。
リアルタイムに意思疎通が行えるため、通常の110番通報と同じように利用できます。
GPS機能がある携帯電話などから通報すると、位置情報を送信する機能もあり、山地などの場所が分からない所からの通報にも便利です。
何を通報するのかを入力する画面を備えている場合もあり、とっさの出来事でも通報し易いのがメリットです。
電話通報と比較した場合のデメリットは、一度通信が途切れると警察側から通報者へ連絡する手段が無くなることです。
身の危険が無くなるか、警察側から必要とされた情報を送信し終わるまでは中断しないようにしましょう。
通報するには、専用のサイトへ接続する必要がありますが、URLは県警ごとに異なるので、事前に調べておくとよいでしょう。
FAX110番とは
FAXを用いた通報も出来る
インターネットやメールが使えない方のために、警察ではFAXを用いた110番通報も用意しています。
各県警で番号が異なるので注意が必要ですが、FAX用紙に「いつ・どこで・なにが」という通報内容と通報者の氏名や住所、FAX番号を記入して送れば警察からもFAXにて返信が来るようになっています。
神奈川県警のように書式を掲載している県警もありますので、活用すると良いでしょう。
FAX110番を用いる時のデメリットとしては互いの送受信に時間が掛かるという点で、緊急性の高い通報では不便を感じるかも知れません。
メール110番とFAX110番は耳が聞こえなかったり、言葉をうまく喋れない方のために用意されている通報手段です。
何かしらの問題があって電話で通報出来ない場合以外は、110番へ電話するようにしましょう。
まとめ
・メール110番にはメールやインターネットを経由した通報手段がある
・FAX110番では紙に記載して通報出来る
・問題なく会話が出来る人は電話で110番しましょう
参考サイト
◆神奈川県警察:メール110番システム・FAX110番
◆大阪府警察:聴覚や言語に障がいのある方のための110番
◆警視庁:平成26年度警視庁統計資料