核家族の割合は、年々増えつつあります。
昭和28年(1953年)には1世帯あたりの家族の人数は5人でしたが、これは右肩下がりに減っていっています。
約60年経過した平成27年(2015年)では、平均世帯年数は2.49人でした(参考:厚生労働省「平成27年国民生活基礎調査の概況」)。
そのため「今は祖父・祖母と離れて暮らしている」「遠くに住んでいる年老いた父・母が心配」という方も多いのではないでしょうか?
特に配偶者が亡くなっている独居老人の場合、毎日その安否が気になるものです。
そんなときに役立つのが「見守りサービス」です。
多様な民間企業の「見守りサービス」
ホームセキュリティ・防犯+見守り
「独居老人の安否確認(見守りサービス)」といっても、その種類はさまざまです。
まずは、ホームセキュリティから見ていきましょう。
これはセコムやアルソックなどの警備やホームセキュリティを扱っている会社がやっているものです。
「難しい操作は必要としない。握ったり、ストラップをひっぱったりするだけで、救急信号を発したり、医療従事者と話すことのできる機械を提供している」、「しばらく動いていないと、ホームセキュリティ会社に連絡が行く」というシステムをとっていたり、電話で安否を確認してくれたりするサービスを提供しています。
安否確認だけではなく防犯対策にもなり、緊急時にすぐに助けを呼べる事が大きなメリットです。
1カ月の料金は1万円を超えることはあまりないようですが、初期投資として1万円~10万円を超える金額が必要になることもあります。
業者ごとで料金もプランもまったく異なるため、いろいろな会社で相見積もりをとってから決めましょう。
宅配食材・料理+安心
便利な宅配食を扱う会社にも、安否確認の見守りサービスをしてくれるところがあります。
食事や食材を届けてくれる業者が宅配時に安否確認を行うもので、業者によっては配達がない日でも訪問したり、電話で安否確認したりしてくれるサービスがあります。
宅配食を使うメリットはなんといっても「食事配達と安否確認を一緒にできること」です。
独居老人に限らず、一人暮らしの場合はどうしても食事が偏ってしまいがちです。
特に男性の独居老人の場合、「料理はほとんどやったことがない」という方もいらっしゃるでしょう。
「食事」と「安否」2つの心配を一度に解決できるという意味では、宅配食の見守りサービスは非常に有用と言えるでしょう。
料金は業者・プラン・地域によって様々ですが、見守りサービス自体は比較的安価に設定されているようです。
ただし、前述したホームセキュリティ会社のような防犯や緊急時の駆けつけまでカバーする「万全の備え」は望めません。
あくまでメインは食事の宅配です。
多くの場合は「安否は確認するが、困ったときにすぐに緊急連絡できるわけではない」というシステムなので過信は禁物です。
自治体の「見守り」は利用すべし
「安い」「緊急対応あり」など充実
市や区など自治体が行っている見守りサービスは、独居老人にとって非常にありがたいものです。
たとえば鹿児島市などでは、「首にかけるペンダントを渡す。これをひっぱったり、異常があったりしたときはすぐにかけつける」というホームセキュリティの業者と似たような取り組みをしています。
しかもこのようなサービスには税金が使われるため、月額費用寮も極めて少なくおさえられています。
鹿児島市の場合はわずか月額1,000円です。
このように「安い」「緊急対応あり」という自治体の見守りサービスは、非常に利用価値が高いものです。
ただ市区町村によって対応に違いがあり、いまだにこういった「見守り」システムが準備されていない場所もあります。
場合によってはサービスを併用し、それぞれのライフスタイルにあわせた「見守りサービス」を選びましょう。
まとめ
・一人暮らしの高齢者人口が増加しており、多様な「見守りサービス」が官民それぞれでスタートしている
・ホームセキュリティ企業の「見守りサービス」には緊急時に助けを求めやすいというメリットがある
・宅配食材の場合は食事の悩みも解消できるメリットがある
・自治体の提供する見守りサービスは鹿児島市のように安くて充実している場所もある
・民間業者の見守りサービスと市区町村の見守りサービスにはそれぞれ特長があり、状況に応じて併せて使うと便利
参考リンク
◆シニア・高齢者向けサービス セコム・ホームセキュリティ
◆Life Deli 高齢者配食サービス
◆見守りに関する都及び区市町村の取組