耳掃除による事故について、国民生活センターで注意喚起されていることをご存知でしょうか?耳掃除で怪我をしている人たちの年齢は様々です。大人も子どもも関係なく、事故は起きています。耳掃除は日常的に行うので、危険性があることを意識しにくいのでしょう。
しかし耳掃除中の一瞬の油断は、大事故につながります。中には大怪我となり、入院する人もいるのです。まずは耳掃除によってどのような事故が起きているのか、詳しく見ていきましょう。事故状況が分かれば危機管理が高まるので、事故を防ぐことができるはずです。
耳掃除による事故状況

東京消防庁によると、管内だけでも平成26~30年までの5年間で319人が耳掃除で怪我をし、救急搬送されています。平成30年中では52人となり、前年の平成29年の61人と比べると、救急搬送された人数は若干減っていますが、それでも毎年50人以上の人たちが耳掃除による事故を起こしているのです。
年齢について見てみると、耳掃除による事故はどの世代でも起きています。年齢による怪我の程度にあまり差はないようです。ただし、事故が起きやすい年齢は319人のうち0~4歳が最も多く、救急搬送された人数は126人です。これは、全体の39.5%に当たります。次に多いのは5~9歳の44人で全体の13.8%となり、過去5年間で救急搬送された人たちの約半数が9歳未満の子どもだということが分かります。また、0~5歳の子どもの場合、ほとんどが誰かに耳かきをしてもらったことが原因で受傷していますが、1歳児だけは原因が異なります。1歳児は5年間で51人が搬送されており、そのうち約半数にあたる27人が自分で耳掃除、もしくは耳の中に何かを入れたことが原因で受傷しているのです、1歳になると様々なことに興味を持ち始める時期なのですが、危機管理が身についていないので耳掃除による事故が起きやすいのでしょう。
全年齢の耳掃除による事故の原因を見ていくと、全体の31%が耳かき棒や綿棒を奥に入れすぎたことで受傷しているようです。耳掃除中に人やモノ、ペットなどに接触したことでの事故も多く起きています。中には、耳かき棒や綿棒が途中で折れてしまい、怪我をした人もいます。
救急搬送された94.1%が軽症で済んでいるのですが、中には生命の危険が強いと認められる重症患者が1名いました。耳掃除による事故は、一瞬の油断で取り返しがつかない事態になりかねないことが分かりますよね。日常的に行う行為ほど危機管理が低くなりがちなので、事故が起こるかもしれないということを意識することから始めましょう。
耳掃除の事故を防ぐためには

先述したように、耳掃除の事故は耳の奥に入れすぎてしまったり、接触や転倒が原因で起きています。事故を防ぐためにも、耳掃除は安定した場所で行い、無理やり奥に入れないように気をしましょう。
また、子どもに耳掃除を行うときは事故による危険性を教え、耳かき棒や綿棒を入れているときは不用意に動かないこと、耳掃除をしている人には近寄らないことを徹底させましょう。耳掃除製品は、子どもの手が届かないところに置くことも大切です。
もし、耳掃除中に事故が起きたら直ちに耳鼻咽喉科や医療機関を受診してください。場合によっては後遺症が残る可能性があるからです。または、耳かき製品が耳の中に残ってしまったときも、すぐに受診しましょう。
まとめ
・耳掃除の事故は0~4歳までの子どもが最も多い
・奥に入れすぎたこと、耳掃除中の接触、転倒が事故原因
・重症になるケースも起きている
・耳掃除をする際は、安定した場所で行う
参考サイト
◆東京消防庁「耳かき中の事故に注意!」
◆独立行政法人 国民生活センター「油断しないで!耳掃除-思わぬ事故につながることも-」