動画視聴等長時間のスマホ操作をする方は、モバイルバッテリーを携帯している場合も多いのではないでしょうか?スマホのバッテリーが少なくなってきても、モバイルバッテリーをつないでスマホを使用できて便利ですね。また、災害時には停電も発生して、スマホ等を普段のように充電できないことも予想されるため、備えとしてモバイルバッテリーをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そんな便利なモバイルバッテリーですが、発火事故も起こっており、使用方法や保管方法を間違えると危険です。本記事では、モバイルバッテリーの適切な使用方法や保管方法等を見ていきます。是非、参考にしてみてください。
モバイルバッテリーとは?
モバイルバッテリーとは、スマホやポータブル機器等を充電するための、持ち運びをできるデバイスです。
外出時にスマホやポータブル機器等を用いて動画視聴やゲームを楽しむ等して、バッテリーの消耗がはやい方には、モバイルバッテリーは重宝します。その他にも、災害時の備えとしても、モバイルバッテリーは重要であるとされます。
モバイルバッテリーの形式は、乾電池式のものやリチウム電池式のもの等があります。
今回は主に、リチウム電池式のモバイルバッテリーについて見ていきます。
モバイルバッテリーの発火・発煙事故
消費者庁には、モバイルバッテリーに関する事故の情報が、平成25年6月から令和元年6月末までに162件寄せられています。
中には、公共交通機関の中で発火・発煙事故が起こったために、公共交通機関運行が遅延した例もあります。
モバイルバッテリーの発火・発煙事故の原因
モバイルバッテリーが発火・発煙事故を起こす原因は、主にモバイルバッテリーに内蔵されたリチウムイオン電池にあります。
リチウムイオン電池に衝撃が加わること、使用によって熱が過剰になること、外部から熱を加えることに問題が有ったり、リチウムイオン電池の劣化やもともとの品質に問題がある場合が多いのです。
例えば、低品質のモバイルバッテリーやまだルールの曖昧だった時代に作られたモバイルバッテリーでは、リチウムイオン電池に対する安全装置が機能しなかったり安全装置そのものがついていない場合もあり、充電時に給電スピードの調整がなされずに発熱が過剰となる場合もあるのです。すると、発火や発煙事故の原因にもなります。
それ以外に事故として想定されるものは、モバイルバッテリーの膨張です。モバイルバッテリーに内臓されたリチウムイオン電池は、劣化した場合に電解質の酸化によりガスが発生し、バッテリーが内部から膨張します。膨張したモバイルバッテリーに衝撃が加わると、破裂事故につながることも想定されます。
また、モバイルバッテリーを一般ごみとして捨てた場合、ごみ収集車でバッテリーに圧力が加わって、製品の破裂や発火を招き、収集車の焼損や清掃職員のけが等につながる恐れもあります。
それ以外にも、モバイルバッテリーに内臓されたリチウムイオン電池は熱に敏感であり、5度を下回る寒い環境下や45度以上になると劣化しやすくなります。リチウムイオン電池の劣化は、上に見たように、モバイルバッテリーの事故につながる恐れもあります。
モバイルバッテリーの発火・発煙事故の対策
以上のように、リチウムイオン電池を用いたモバイルバッテリーの使用には、圧迫、熱、劣化、もともとの品質に注意が必要です。そこで、モバイルバッテリーの使用や今後の購入には、次のような注意が必要です。
・圧迫や熱についての注意
モバイルバッテリー本体に強い衝撃、圧力を加えない。お尻のポケットに入れたまま座ってしまう等、何気ない行動にも注意。
モバイルバッテリーの熱くなりやすい充電中は、周囲に可燃物を置かないようにする。
高温の環境に放置しないようにする。また、使用していないモバイルバッテリーでも、真夏の車内など高温になる場所に放置しない。
・品質や劣化についての注意
リコール対象のモバイルバッテリーではないか、リコール情報を確認する。
新たにモバイルバッテリーを購入する場合、PSEマークを確認する。
モバイルバッテリーが膨らんでいる、熱くなっている、変な臭いがする、以前ほど長時間の使用をできなくなった、等いつもと違って異常を感じたら使用を中止する。
・モバイルバッテリーを処分する際の注意
使用済みモバイルバッテリーは、リサイクルに出すのが基本。やむを得ず廃棄する際には他の家庭ごみと区別して、お住まいのごみの分別に従う。
モバイルバッテリーの長期保管方法
災害時等に備えてモバイルバッテリーを保管している方もおられるでしょう。その場合も、保管方法に注意が必要です。
まず、上に見たことから推測をできますが、高温多湿な場所に保管しないことが重要です。
また、3カ月に1回程度は充電を行い、最低でも40~50%程度のバッテリー残量を維持することが望ましいという意見もあります。
完全に放電した状態で長期間放置すると、モバイルバッテリー自体に負荷がかかってしまって、肝心の災害時に充電ができなくなるリスクがあるためです。
それに、使用していないモバイルバッテリーも、バッテリー残量は減少していきます。いざ災害時に、保管していたモバイルバッテリーの残量になっていないよう、普段から気をつけることは重要です。
まとめ
・公共交通機関の中でモバイルバッテリーの発火・発煙事故が起こった例がある。
・モバイルバッテリーへの衝撃や熱を加えること、モバイルバッテリーの使用による発熱、バイルバッテリーの劣化やもともとの品質に注意。
・使用済みモバイルバッテリーは、リサイクルに出すのが基本。やむを得ず廃棄する際には他の家庭ごみと区別して、お住まいのごみの分別に従う。
・モバイルバッテリーを長期保管する場合は、3カ月に1回程度は充電を行い、最低でも40~50%程度のバッテリー残量を維持することが望ましいという意見もある。
・使用していないリチウムイオン電池もバッテリー残量は減少していくので、災害時に備えてリチウムイオン電池を保管している場合は残量に注意。
参考サイト
◆消費者庁「モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!」
◆ELECOM「vol.09 発火・発熱など、モバイルバッテリーのトラブルの原因と対策を紹介」