非常用持ち出し袋は災害時・緊急時に持ち出すものであり、自分の身を守るために必要なもの・避難先で不自由しないために必要なものを入れておく必要があります。
必要なものは年代や家族構成によっても変化していくものです。今回は、高齢者や高齢者がいるご家庭が準備しておきたいグッズについてお伝えします。
杖
災害などの緊急時は、常用している杖を持ち出すことができないことがあります。また、日頃は杖を利用していない方であっても、避難先の状況によっては必要になる可能性もあります。このような事態を想定し、非常用持ち出し袋の中に折りたたみ式の杖を準備しておきましょう。
折りたたみ式の杖は「組み立てが簡単」「軽量」といった点に着目して選びましょう。購入後は実際に組み立ててみたり、使用してみたりしておくと安心です。
常備薬
高齢者の中には持病を抱えていて、薬を飲んでいる方もいるでしょう。災害時に薬のことで困らないように、非常用持ち出し袋の中にいつも飲んでいる薬を準備しておいてください。
薬は3日~1週間分を目安に準備します。薬の消費期限が切れないように、定期的に入れ替えを行いましょう。
お薬手帳
大規模災害が起こった際は、かかりつけ医などを受診することが難しくなることが予想されます。このような状況で大きな役割を果たすのがお薬手帳です。
災害などの緊急事態が起こった際、医師や医療関係者はお薬手帳に記録されている処方薬の情報に基づいて処方を行ったり、お薬手帳の内容から持病を判断して診療・処置を行ったりします。お薬手帳を持っていることはスムーズな診療につながるとともに、自分の体調を管理するうえでも役立つことを覚えておきましょう。
お薬手帳は非常用持ち出し袋の中か、緊急時にすぐに持ち出すことができるところに収納しておくことが一番です。手帳そのものを準備することが難しい場合は、お薬手帳のコピーを用意し、非常用持ち出し袋の中に入れておきましょう。
お薬手帳の情報は複数の人と共有しておくことでリスク分散することができます。家族や親戚にもコピーを預けておきましょう。
メガネ・老眼鏡
速やかな避難やケガ防止のためには、視力を確保することは大切なことですね。
過去の災害では、メガネがないことによって生活が不便なものになったという報告や、精神的ストレスを感じたケースが報告されています。避難生活を送るうえで、メガネも必須のアイテムと言えるでしょう。
災害はいつ発生するかわかりません。メガネを外しているときに災害が起こることも十分に考えられるので、非常用持ち出し袋の中にメガネを用意しておくようにしましょう。
メガネはレンズが割れたり傷ついたりしないように、メガネケースに入れておきます。高齢者の場合は、老眼鏡も準備しておきましょう。
紙パンツ・お尻拭き
日頃から紙パンツを利用している方は、忘れずに準備しておきましょう。紙パンツは下着を交換できないときにも役立ちます。
体を清潔に保つことは、皮膚トラブルや感染症を予防するうえでも役立ちます。おしりふきも用意しておきましょう。
笛
助けを求めるときは大声を出す必要がありますが、高齢者は肺活量の低下などから大声を出すことが難しいこともあります。笛を準備しておき、いざというときは笛を吹いて自分の居場所を知らせるようにしましょう。
柔らかい非常食
高齢者はかたい食べ物が食べられなかったり、嚥下能力の低下からのどに詰まらせてしまったりすることがあります。体の状態に合わせて柔らかい非常食を用意しておきましょう。
非常食は難しく考える必要はなく、日頃から食べ慣れているビスケットや、介護用のレトルト食品などを活用しましょう。あたためなくても食べられるものがあると便利です。
まとめ
・折りたたみ式の杖があると、体を支える際に役立つ
・日ごろ飲んでいる薬とお薬手帳を準備する
・メガネや老眼鏡を準備し、視力確保に努める
・紙パンツは下着の代わりにもなる
・声を出すことが難しいときのために、笛を準備する
・高齢者でも食べることができる非常食を確保しておく