気の合う人たちとコメントを書き合ったり、ホームページを作ったり、インターネットではいろいろなことができますね。親御さんの知らない間にお子さんたちはインターネットで趣味を楽しんだり、誰かの作ったソフトを入手したり、情報発信等できます。
ただ、インターネット空間では感情のブレーキが働かなくなったり、クリック一つのお手軽操作のせいで罪悪感を持てなかったりで、知らない間に犯罪者になってしまうことも多々あります。未成年を含め逮捕された例もあり、警察庁もウェブサイト等で注意を呼び掛けています。
本記事では知らない間にネット犯罪者になる例を見ていきます。是非、保護者の方からお子さんに注意を呼び掛けてください。
インターネット利用で犯罪者になる例

未成年の逮捕者も出ている事例を中心に、インターネットの何気ない利用で犯罪者になってしまう例を紹介します。いずれも、禁固刑や懲役刑、数十万~100万円以上の罰金刑に処される可能性のあるものがほとんどなので、「どうせ軽犯罪」「厳重注意で済むんでしょ」等と思わないでください。
SNS等の書き込みで相手を自殺に追い込む
面と向かっていないためか、周囲に注意してくれる人がいないためか、インターネットの書き込みには日常生活では言えないようなきついことばを相手に投げかけてしまうものも多々あります。そのことばのせいで相手が自殺したり精神的な治療を必要とする事態等になれば、確実に犯罪者となります。
また、誰かを脅迫するのも犯罪ですし、相手が人でなくてもお店や企業等の悪口を書いた場合それをきっかけにもうけが落ちさらに悪口が根拠のないものと認定されたなら犯罪になります。
「たかが書き込み」「何を書こうと自由でしょ」なんてあっさり考えず、精神的或いは金銭的に不利益になる人がいないか、目の前に相手がいないからこそコメント掲載前にじっくり確認をする習慣をつけてください。
フィッシングサイトを作成する

ウェブサイトを作成するマニュアル等はインターネット上に転がっていますし、いろいろなソフトもインターネットで入手できます。また、高校や専門学校、大学等でコンピュータやインターネットに関わる技術も身につけられます。
中には、自分の技術を試してみたいとか、知識を使ってみたい、ハッカーに憧れている等そんな軽い気持ちでハッカーまがいのことをしてしまい逮捕されたという例もあります。例えばフィッシング目的のサイトを作成して、誰かのIDやパスワード等個人情報を騙して取得するのは犯罪です。また、そこで得たIDやパスワードがネットバンクのものであったとして、その人の口座にアクセスして出金するのも当然犯罪です。「試しにやってみた」「口座全額盗んでない、ちょっとしたおこづかい程度」では済まされないし、大抵いつか何かの拍子にバレます。
インターネットは不特定多数の人が利用するため、自分のちょっとした好奇心で不特定多数の人が被害に合う可能性もあります。また、一企業や社会全体が混乱に陥ることもあります。面白半分でハッカーの真似ごとをするのはやめましょう。
イタズラ目的でウイルスを取得
インターネット上には、コンピュータウイルスを取得するマニュアル等も出回っています。ですが、そのマニュアルを使う等して実際にウイルスを入手した場合は、その時点で犯罪です。
また、誰かのスマホ等にウイルスを感染させて、ちょっと誤作動を起こさせたりして面白がる行為も当然犯罪です。イタズラではありません。お金を取っていないから、ウイルス駆除ソフトで元通りになるからと安易に考えてはいけません。
児童でも出会い系サイトの不正利用は犯罪
15歳の少年が出会い系サイトに「Hなことをしてくれる女友達募集中」と書き込んで逮捕されたという例もあります。15歳は児童です。児童を性的な行為に誘ったり、児童と性的な行為を行うよう誰かを誘ったりするのは出会い系サイトの規則に反する犯罪です。解釈によっては、ほかにもいろいろな法律に抵触する可能性があります。それは、誘っている本人が児童であっても同じです。
中学生や高校生が異性に興味を持つのは仕方がありませんが、現代では不特定多数の異性を誘うことが容易であることに注意が必要です。この書き込みを利用して、違う犯罪者がアクセスしてくる可能性もあります。
自分以外のIDを使う

インターネットバンク、ショッピングサイト等インターネットサイトを利用するには大抵IDとパスワードが必要です。逆に、IDとパスワードを取得すれば、自分のPCでなく違う人のPCやスマホであってもインターネットサイトを利用できる場合が多いです。よって、誰かのIDとパスワードを知っていれば、その人の名でインターネットサイトを利用できるのです。ですが、自分以外の人のIDやパスワードを使ってインターネットサイトを利用することは、不正アクセス禁止法違反です。
ただ、子どもが内緒で保護者のIDやパスワードを使ってインターネットショップで買い物をした場合、警察沙汰にはしませんよね。一方、例えば交際中に交際相手のIDとパスワードを知りサイトを共有していても、破局して後も同じことをした場合、訴えられる可能性はあります。まして、破局の仕方によって互いに遺恨があるからと言って、相手の名で相手の不利益になるような買い物を繰り返していれば、「プライベートな喧嘩」では済まされません。
何気ない利用でインターネット犯罪者にならないために
インターネット犯罪者になってしまう原因の一つは、誰も見ていないことや面と向かっていないこと等で安易な言動を取ってしてしまうことにあります。インターネットだからこそ、コメントや発言の前に誰かを攻撃していないか誰かの不利益になっていないかを冷静に読み直すくせをつけてください。また、SNSには投稿時のルールを掲載している場合が多いので、しっかり読んでおきましょう。
そして、スマホが中高生や小学生にも普及する現代、「ノリ」でインターネットを利用すると犯罪者にすらなってしまうことを、保護者の方から教えてあげてください。また、スマホでやってはいけないことをまとめたルールを作ることも重要です。
ただ、スマホデビューしたてのお子さんには、どのサイトをどんな風に利用したらルール違反になるか等、具体的にはわからないことも多々あるでしょう。そこで、危険な事態になりうるサイトにアクセスできないようフィルタリングを利用することも仕方ない場合があるかもしれません。
まとめ
・面と向かっていないから言える、匿名だから言えるようなきつい発言をしていないか、誰かを攻撃したり不利益になる文ではないか、投稿の前に読み直すくせをつける
・ハッカーの真似ごとやコンピュータ知識の軽いお試しは、不特定多数の人に被害を与えたり一組織や社会を混乱に陥れる恐れがあり、重罪であることを認識する
・自分以外のIDやパスワードを安易に使わない
・その場のノリでインターネットを利用せず、今の自分の行為が将来どんな困ったことにつながるかを考える
・中高生にスマホが普及する現代、スマホを持たせる保護者から子どもにインターネット犯罪者になる可能性を教える