熱中症のリスクが高まるシーズンがやってきました。熱中症というと直射日光に当たったり、外出や運動をしていたりするときに発症するイメージがありますよね。ところが、家で過ごしている時にも熱中症のリスクがあることをご存じでしょうか。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、家で過ごす時間が増えています。だからこそ在宅時の熱中症予防について理解を深め、予防に努めましょう。
熱中症の症状
熱中症は体温があがり、体温調節機能や体内の水分・ミネラルバランスが崩れることによって発症します。熱中症になると、めまい・大量の汗をかく・頭痛・吐き気・嘔吐・筋肉のけいれん・倦怠感など様々な症状が現れます。重症化すると意識障害やけいれんなどを引き起こし、死に至ることもあります。
熱中症になりやすい場所
全日本病院協会によると、熱中症による救急搬送の37パーセントは住宅などの居住施設で発生しています。熱中症は「高温多湿な環境」「風が弱くて日差しが強い時」「日光の照り返しが強い時」「急に暑くなる時」などにかかりやすいです。家の中でも「脱衣場など熱気と湿気がたまりやすい場所」「二階など高温になりやすい場所」「窓を閉め切った部屋」「直射日光が差し込む場所」は熱中症になりやすい条件が整いやすいです。このような場所で過ごすときは、より一層の注意が必要と言えるでしょう。
また、体が暑さに慣れていないときも熱中症になりやすいため、真夏以外の時期でも対策を怠らないようにしましょう。
家の中でできる予防法
冷房器具を使用する
冷房器具を適切に使用し、室温や湿度をコントロールすることで、熱中症にかかるリスクを下げることができます。暑さやムシムシとした感覚を感じるときは我慢せず、冷房器具を使用しましょう。エアコンや扇風機などは梅雨前から準備しておくことをおすすめします。
高齢者は温度変化などを感じにくくなるため、室内での熱中症のリスクが高いと考えられています。温度計や湿度計など目で見て判断できる機器を利用し、熱中症の危険があることをいち早く察知できるようにしましょう。エアコンの操作がわからない・忘れてしまうといったこともあるので、説明書を見えるところに置いたり使い方を大きな文字で書いた紙をリモコンの側に貼っておいたりするようにしましょう。
水分補給
熱中症を防ぐためには水分補給も欠かせません。こまめな補給を心がけてください。汗をかくとミネラル分も失われるので、水分補給のタイミングで同時に補給するとよいでしょう。
コーヒーや緑茶はカフェインが含まれていたり利尿作用があったりするので、熱中症予防の水分補給には適さないことがあります。また、スポーツドリンクは糖分が含まれていることから、大量に飲むと肥満など生活習慣病のリスクが高まります。適切な量を守りましょう。
また、熱中症予防に効果的なミネラル分が含まれている麦茶やミネラル分が補給できる飴、熱中症の症状が現れたときに役立つ経口補水液などを常備しておくと安心です。
暑さ対策の導入
直射日光が差し込む場所には遮光カーテンやブラインドなどを設置し、直射日光を遮断して室温が上昇しないようにしましょう。
体に熱がこもらないように、服装にも気を配るといいですね。通気性・吸湿性に優れた素材(綿や麻など)を着用しましょう。体型にフィットしたデザインよりも、袖口が広がっていてゆったりとしているデザインを選んだ方が、熱が逃げやすく涼しさを感じられます。
生活習慣に気を付ける
疲れているときや睡眠不足のときは、熱中症にかかるリスクが上がります。体調を整える意味でも、規則正しい生活を心がけてください。夏場は暑さで寝苦しくなりますが、体力を消耗しないためにも冷房機器を適切に使用し、快適な睡眠を目指しましょう。
入浴後・寝る前・寝起きなど汗をかいているタイミングで水分補給をすることも習慣づけてください。
まとめ
・熱中症による救急搬送は、室内で過ごしている時にも発生している
・冷房機器を使用し、室温や湿度をコントロールする
・喉が渇いていなくてもこまめな水分補給を心がける
・室内に差し込む直射日光を遮る
・通気性がよいゆったりとした服装も、熱中症予防につながる
・睡眠不足など熱中症になりやすい生活習慣を改善する