季節が先へと進み、夏日を記録する日が増えてきました。そこで気を付けたいのが熱中症です。熱中症というと真夏に起こるイメージがありますが、「暑くなってきたな」という時期にも罹ることがあり、注意が必要です。
今回は暖かくなり始めたころの熱中症対策について考えてみました。
熱中症の症状と月別の発生状況
人は体温が高くなると、汗をかいて熱を外へ逃がそうとします。そのサイクルが間に合わなくなると体の中に熱がこもってしまい、体温調節機能が崩れたり、体内の水分やミネラルが失われていき、熱中症を発症します。
熱中症になると頭痛・倦怠感・めまい・意識が朦朧とする・大量の発汗・吐き気・嘔吐・筋肉のけいれんなどの症状が現れます。適切な対処をしないと重症化し、死に至ることもあります。
総務省「2019 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」によると、2019 年5月から9月の間に、熱中症によって救急搬送された人の数は 71,317人にのぼることがわかります。一番多い月は8月で、36755人です。注目すべきは5月と6月の人数で、5月は4,448人、6月は4,151人が救急搬送されています。この統計から、熱中症は真夏だけでなく、暖かくなってきた時期にも注意が必要と言えるでしょう。
暖かくなり始めたころに熱中症が起こるのはなぜ?
暖かくなり始めたころに熱中症が起こるのは、体が暑さに慣れていないからと考えられています。気温が急激に上昇すると体温調節機能がついていけず、体に熱がこもって熱中症をおこしやすくなるのです。特に、「一日の中での寒暖差が激しい」「前日との寒暖差が激しい」など寒暖差が大きくなると、体がうまく適応できずに熱中症を引き起こしやすくなります。
また、梅雨の時期は湿度が高く、汗が蒸発しにくいという特徴があります。すると体温が下がらず体に熱がこもってしまい、熱中症を発症しやすくなるのです。
早めに取り入れたい熱中症対策
熱中症から体を守るためには、早めの対策が肝心です。まずは水分補給を意識的に行いましょう。のどが渇いてから飲むのではなく、こまめに補給することが大切です。塩分を補給できるように、塩飴やタブレットなども準備して持ち歩きましょう。
朝晩の気温差が大きくなるので、着脱しやすい衣服で体温調節をすることも大事です。日中に汗をかいてもいいように、下着は通気性や速乾性に優れたものを選びましょう。活動する時はなるべく日陰を選び、帽子などで直射日光を避けるようにします。
熱中症は体の中の熱をうまく排出できないと起こることから、汗をかきやすい体作りを行い、暑さに体を慣らしておくことも必要です。ウォーキングや軽いジョギングを行ったり、半身浴でじっくり汗をかくといったことを取り入れてみましょう。
暖かくなり始めたときの熱中症対策は、いつもの熱中症対策を行うとともに、体を暑さに慣らすことがポイントです。難しいことではないので、日常生活の中で取り入れて健康維持に努めましょう。
まとめ
・体が暑さに慣れていない時期は熱中症にかかりやすい
・水分補給をこまめに行う
・寒暖差に対応できるように、衣服で調節する
・汗をかきやすい体づくりを行い、体温調節機能を高めておく