年末年始はクリスマス、年越し、初詣など楽しいイベントがいっぱいありますよね。長期休暇を利用して旅行に出かける方もいるのではないでしょうか。年末年始は多くの楽しみがある一方で、犯罪が増加する時期でもあることをご存知でしょうか?警視庁平成27年統計資料「刑法犯の罪種別認知件数(月別)」を見ると、窃盗や放火といった犯罪は12月~1月にかけて増加傾向にあることがわかります。年末年始を心置きなく楽しむためにも、年末年始に起こり得る犯罪について危機意識を高め、予防法や対処法を学んでおきましょう。
年末年始に起こり得る犯罪と対策
①侵入盗
年末年始は犯罪が増加する時期ですが、その中でも窃盗被害が輪をかけて増加傾向にあります。その背景には12月がボーナスの時期であることや、レジャーに向けてまとまったお金を自宅に用意していることが挙げられます。年末年始はまとまったお金が動く時期であるからこそ、窃盗被害を予防するための防犯対策を講じることが大切と言えるでしょう。
窃盗の中でも特に気を付けたいのは「侵入盗」です。年末年始は旅行や帰省で長期不在にしている家庭が多いですよね。留守中に侵入盗の被害に遭わないためにも、「侵入盗を家の中に侵入させない」「侵入盗に目をつけられないようにする」といった防犯対策を心がけましょう。留守にする場合は補助鍵を設置し、犯人の侵入を防ぎましょう。補助鍵は玄関ドアだけでなく、1階の窓や勝手口にも設置しておくと安心です。また、侵入盗は人の目がある家庭には侵入しにくいと感じるようです。年末年始に向けて、侵入盗に目をつけられない環境づくりを心がけましょう。「人感センサーライトを設置する」「植木鉢やオブジェなど死角になるものは片づける」「新聞や郵便物を止める」といった手段が効果的です。
侵入盗被害の中には窃盗犯がそのまま家の中に居座り、数日間生活をしていたケースが報告されています。犯人を長時間滞在させてしまうと、「家の間取りを知られる」「プライバシーを暴かれる」「旅行先から帰ってきた時に犯人と出くわす」といった様々な危険に繋がります。万が一の時に犯人を長期滞在させないためにも、「食糧の買い置きはしない」「電気や水道などのライフラインを停止させておく」といった対策も効果的です。
②スリ
お酒を飲みすぎて、電車や道端で寝てしまった経験はありませんか?忘年会や新年会でお酒を飲む機会が増える年末年始は隙が生まれやすいことを自覚し、スリに対する防犯対策も心がけたいところです。スリ被害に遭いやすいのは電車や駅構内です。ALSOKの調べによると、駅や電車内で発生する犯罪の60パーセント以上が窃盗であるそうです。お酒を飲んだ後はつい気が緩んでしまいがちですが、防犯意識を高めるようにしましょう。「お酒を飲みすぎない」「貴重品は胸ポケットにしまう」などの対策が効果的です。
年末年始は初詣の混雑や子どものお年玉を狙ったスリも発生しています。混雑している場所に行く時はチャック付のバッグを持ち、貴重品が他人の目や手に触れないように心がけましょう。お年玉などの高額な現金は子どもに持たせるのではなく、あらかじめ親が預かっておくと安心です。
③放火
空気が乾燥する冬場は火災が増える時期ですが、年末年始を挟む12月~1月は放火が増加傾向にあります。特に年末年始に不在にしている家庭はターゲットになる可能性が高いので注意しましょう。
可燃物があるとターゲットにされやすいので、家の周囲には燃えやすいもの(ゴミ、段ボール、雑誌類)を置かないようにしましょう。長期の旅行や帰省で家を留守にする場合は、必ず新聞を止めてください。新聞が溜まってしまうと留守宅であることが周囲に知られるだけでなく、溜まった新聞紙に火を点けられる危険性もあるからです。ちょっとした心がけが防犯対策につながることを覚えておきましょう。
まとめ
・年末年始は窃盗や放火といった犯罪が増加する
・家を留守にする場合は1階のドア・窓を中心に補助鍵を取り付ける
・侵入盗が狙いにくい環境づくりを心がける
・スリ被害に遭わないためにも、貴重品は肌身離さず持つ
・放火対策として、家の周囲に可燃物を置かない
参考サイト
◆警視庁:「警視庁の統計(平成27年)」
◆ALSOK:「ALSOKあんしん通信 公共空間で起こりがちなトラブル防止策(駅・電車編)」