年末年始は、忘年会や新年会といった飲み会が行われる時期ですよね。飲み会は親睦を深めたり気分を高めてくれたりする効果があります。その一方で「お酒を飲みすぎて気分を悪くした」「泥酔して記憶を無くした」といった、お酒にまつわる失敗も多く報告されています。失敗だけならまだしも、お酒を飲みすぎると命を危険にさらしてしまうこともあります。今回は飲酒が死亡事故につながる、急性アルコール中毒の怖さと対策についてご紹介します。
急性アルコール中毒とは
お酒にはアルコールと呼ばれる物質が含まれています。お酒に含まれるアルコールには、人を酔わせてくれる効果があります。そのため摂取量を守りながらお酒を飲むと、心地よい気持ちを感じることができるのです。ところがお酒を大量摂取すると血中のアルコール濃度が高くなり、心地よい気持ちを通り越して脳が麻痺状態になり、やがて昏睡状態に陥ってしまいます。急性アルコール中毒とは、急激にお酒を飲むことによって血中のアルコール濃度が高まり、このような意識喪失状態に陥ることを指します。
急性アルコール中毒の症状は動悸・眩暈・嘔吐から始まり、重症になると意識障害・呼吸困難・脳障害を招きます。早めに対処しないと、そのまま死に至ることもあります。
予防法・対策法
急性アルコール中毒は血中のアルコール濃度が高まることによってひきおこされるため、誰でも陥る可能性があります。そのため、まずは個人でしっかりと予防することが大切です。
急性アルコール中毒を引き起こす飲酒量には個人差がありますが、自分が心地よく酔える範囲での飲酒を心がけ、「無理な飲酒を控える」のが大原則です。体調が悪いときはアルコールの処理能力が落ちるので、飲酒自体を控えるようにしましょう。また血中アルコール濃度を急速に引き上げるイッキ飲みや、空腹時の飲酒も避けるようにしましょう。内臓に負担をかけないためにも、飲酒前に牛乳を飲むなどして胃腸を守ってあげることも効果的です。
飲み会での急性アルコール中毒は、「周囲の人が無理にお酒を飲ませた」といったことから引き起こされることもあります。仲間や同僚が急性アルコール中毒に陥らないようにするためにも、無理な飲酒を促すことは止めましょう。幹事など飲み会全体を監督する立場の人は、周囲の飲酒ペースにも目を配り、過度な飲酒が認められるときは注意をするようにしましょう。
応急処置
年末年始の飲み会は気分が高揚しやすいため、普段の飲酒量を超えてしまうこともあるでしょう。あなた自身は気をつけていたとしても、周囲の人が急性アルコール中毒に陥る危険性があります。周囲で急性アルコール中毒に陥った人が出たときのためにも、ここで応急処置について学んでおきましょう。
周囲の人が急性アルコール中毒で倒れた場合は、まずは救急車を呼びましょう。中毒患者のほとんどは意識が無く自力で動けない状況ですので、救急車が来るまでの間は決して目を離さず、容体を観察しながら付き添いましょう。救急車が到着するまでの間は横向きに寝かせ、気道を確保してください。そうすることで舌や嘔吐物がのどに詰まって窒息するのを防ぐことができます。仰向けに寝かせると窒息する危険性が高まるので、避けるようにしましょう。急性アルコール中毒に陥ると体温調整ができなくなり、低体温症にかかることがあります。寝かせる時には衣服をかけて、あたたかくしてあげることも大切です。
まとめ
・急性アルコール中毒は命を落と危険性がある
・急性アルコール中毒にならないためにも、無理な飲酒は控える
・周囲の飲酒ペースにも気を配り、無理な飲酒は止めさせる
・万が一急性アルコール中毒になった人がいたら、救急車を呼び、傍から離れない