小学校に進学すると、登下校や放課後の遊びなど、子どもだけで行動する機会が増えてきます。そこで心配になるのが交通事故ですよね。
交通事故に巻き込まれないようにするためには、子どもに交通安全のルールを教え、事故防止の行動を実践させることが重要です。そこで今回は、子どもに教えておきたい交通安全のルールについてご紹介します。
子どもの交通事故の傾向
警視庁の調査によると、子どもの交通人身事故には以下のような傾向があることがわかります。
・自宅から500メートル以内
・夕方の時間帯(14時~16時・16時~18時)
・小学生の男子児童
・自転車の事故
・歩行中の事故は横断歩道や横断歩道付近、横断中が約半数を占める
子どもの交通事故は身近な場所で発生しています。通学路だから安全・家の近くだから大丈夫と思うのではなく、子どもの行動範囲には常に事故の危険があることを認識しておきましょう。
また、下校時や遊ぶ時間帯=親の目が届きにくい時間帯の事故発生率が高いことから、子ども一人ひとりが交通安全のルールを身につけさせることも大事であると言えるでしょう。
「止まる」「見る」「待つ」の標語を教えよう

交通安全指導で使われる標語に「止まる」「見る」「待つ」というものがあります。「道路を渡るときはまず止まる」「車が来ていないか自分の目で見て確かめる」「車が来ているときは無理に渡らずに待つ」というルールを習慣づけることで、周囲の状況を確認する力や、危険が迫ってきていることを判断する力を養うことができるでしょう。子どもに交通安全のルールを教える時は、「止まる」「見る」「待つ」ことの重要さを教えてあげるようにしてください。
「止まる」「見る」「待つ」のルールは当初は意識的に実践できても、登下校に慣れたり行動範囲や活動能力が広がったりするにつれて、実践されなくなることがあります。繰り返し教えたり、子どもが危ない行動をしたときに「止まる」「見る」「待つ」のルールを守ろうね、と諭してあげたりすることも忘れないでください。
具体的なケースにおける安全のルール
①横断歩道では左右を確認する
横断歩道での事故が多発していることから、横断歩道を渡っている時や横断歩道で車を待っている時にも交通事故の危険があることを、子どもに伝えておく必要があります。
横断中は左折や右折をする車が勢いよく突っ込んでくることがあります。子どもは背が低いことから、ドライバーが認識できていない(認識が遅れる)こともあるでしょう。
道路を横断する時は、車の有無や動向を確認するように指導しましょう。「道路を渡る時は横断歩道を使う」「横断歩道を渡る時は右左を確認し、車が来ていないか・車が止まっているかを確認してから渡る」といった二段構えで教えてあげましょう。
②飛び出しはダメ!

子どもの飛び出しによる事故が多発しています。飛び出しによる事故はドライバーの注意だけでは防げないこともあるので、子ども自身が「飛び出しをしてはいけない」ということを理解することが重要になります。
子どもは一つのことに夢中になってしまうと、周囲の状況が見えなくなることがあり、それが飛び出し事故につながってしまうことがあります。子どもが夢中になりやすい事柄(友達との会話・興味があるものを発見した時・落し物をした時など)を把握し、「○○の時には飛び出しをしやすいから、体を動かす前に周囲の確認をしてね」と教えてあげましょう。
飛び出しを防ぐためには、子どもが交通事故につながるような行為をしていないかどうか、飛び出しに繋がりそうな危険な場所がないか、親が確認することも大事です。通学路や子どもの行動範囲を一緒に歩き、「飛び出し行為につながるような危険な行為をしていないか」「安全確認を怠っていないか」「夢中になって周りが見えなくなっていないか」といった点から子どもを観察してみてください。子どもの行動範囲にドライバーの死角になりやすい場所がある場合は、「この場所は安全確認が必要だね」ということを、子どもに繰り返し指導してください。
③車の側で遊ばない
マンションや商業施設の駐車場で遊んでいる子どもを見かけることがありますが、車の側で遊ぶ行為はとても危険です。
子どもは背が低いため、車のバックミラーやサイドミラーに映らないことがあります。運転席から死角になる場所で遊んでいると、ドライバーは子どもがいることを認識できず、結果として轢かれてしまうことがあります。
車は急に動き出すことがあります。また、駐車場のような車の出入りが激しい場所で遊んでいると、万が一子どもが飛び出しをした時に、重大な事故につながる可能性も高くなるでしょう。
子どもには車の側では遊ばないように教えてあげてください。エンジンが止まっていても危険であることに変わりないことを、あわせて教えてあげましょう。
まとめ
・「止まる」「見る」「待つ」の大切さを教える
・横断歩道では左右の確認が大事
・飛び出しはしない
・危険な場所では安全確認するように指導する
・車の側で遊んではいけない