みなさんは、オーラルフレイルをご存知でしょうか?オーラルフレイルは、口腔機能の低下のことです。老化現象の一つと言えます。オーラルフレイルは健康と機能障がいの中間の状態なので、進行すると要介護になるリスクが高まります。症状は些細なものなので、自身の口腔機能が低下していることに気が付きにくいでしょう。
オーラルフレイルは、健康寿命に大きく関係します。歯や口の働きが衰えると、心身の機能低下に陥るのです。今回は、今注目のオーラルフレイルについて詳しくご紹介いたします。
オーラルフレイルとは
オーラルフレイルとは、口腔機能の低下のことです。食べる、話す、呼吸、感情表現等の歯と口の働きを口腔機能といいます。オーラルフレイルは老化による身体の衰えの一つです。健康寿命を延ばす為にも、今オーラルフレイルが注目されています。
オーラルフレイルの「フレイル」とは、高齢により心身の機能や活力の低下、社会とのつながりが減っている状態のことです。健康と機能障がいの中間なので、要介護になるリスクが高いとも言えます。健康状態に近づく為には、オーラルフレイルに早めに気づき対処することが必要でしょう。
オーラルフレイルの症状は、下記の通りです。
・噛めない食品が多くなる
・滑舌が低下する
・食べこぼしが増える
・軽いむせ
・口の中が乾燥する
どれも些細な症状なので気が付きにくいのですが、オーラルフレイルが始まっているサインである可能性があります。噛む力の低下は食生活に、滑舌の低下は人との関わりの減少というように、口腔機能の低下は心身機能の低下につながります。負の連鎖にならないようにオーラルフレイル対策が必要です。
オーラルフレイル対策とは
日本歯科医師会ではオーラルフレイル対策として、口腔体操を紹介しています。ここでは口腔体操の一部を紹介します。
①口をすぼめ、「い」の口で横に開く体操
②頬を膨らませ、その後すぼめるという動きを繰り返す
③まず、舌を左右どちらかの頬の内側に押し付け、その後指で頬の上から舌を押すという動きを左右交換しながら繰り返す
④「パ」「タ」「カ」「ラ」という言葉をそれぞれ8回ずつ言う
⑤大きく口を開けて10秒間キープした後、口を閉じて10秒間キープという行動を朝夕行う
⑥舌を少し出した状態で口を閉じ、つばを飲み込む
体操を行うことで口回りの筋力を高め、唾液が出やすくなり、舌の動きが良好になります。飲み込む力が高まり、食事中のむせが軽減されるのです。
口腔体操の他にも「生麦生米生卵」や「隣の客はよく柿食う客だ」等の早口言葉を大きく口を上げながらチャレンジしたり、朝と夜の一日2回、姿勢を正しながらガムを噛むことも効果的です。
また、食事の仕方にも気を付けたいところです。食べ物は30回以上噛むこと、食材は大きめ尚且つ硬めに茹でること、歯ごたえのある食べ物を選ぶことが大切です。テレビやスマホを見ながら食べるのは控えた方がいいでしょう。意識して噛むことが、オーラルフレイル対策の一つです。
他にも、歯医者に行き、定期的に口内の健康状態を診てもらうことも忘れてはいけません。虫歯や歯周病がある場合は、早めに治療を行うことも重要です。
8020運動とオーラルフレイル
8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動とオーラルフレイルには関連があります。8020運動とは、平成元年に厚生労働省と日本歯科医師会が開始した80歳で20本以上の歯を保とうという運動です。20本以上の歯が残っていると満足に噛めるので、租借状況が良好になります。オーラルフレイルという考えが、口腔内の健康維持につながり、結果として健康寿命をのばすことになるのです。
まとめ
・オーラルフレイルとは口腔機能低下のこと
・老化による身体の衰えの一つ
・健康状態に近づく為にはオーラルフレイルに早めに気づき対処することが大切
・オーラルフレイルの始まりのサインは些細なことなので気が付きにくい
・食事の仕方に気を付けたり定期的に歯科医に口内の健康状態を診てもらう
参考サイト
◆日本歯科医師会 啓発活動 オーラルフレイル
◆オーラルフレイル対策のための口腔体操
◆アクティブシニア「食と栄養」研究会
◆神奈川県
◆一般社団法人静岡市静岡歯科医師会「オーラルフレイルとは」