梅雨の時期は雨が続くことから、憂鬱な気分になりがちですよね。「洗濯物が乾かない」など日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。梅雨の大雨は大規模災害にも発展しがちです。2017年7月に起こった九州北部豪雨は記憶に新しいのではないでしょうか。
大雨による災害はとても身近であり、どこでも起こりやすいです。いざという時に慌てないためにも、大雨は具体的にどのようなリスクや被害をもたらすのか学んでおきましょう。
河川氾濫・洪水
大雨は河川の増水をもたらします。河川が増水すると堤防が決壊して洪水が起こるリスクが高まります。河川氾濫による洪水は河川の水が住宅地へと一気に押し寄せることから、大規模な被害へと発展しがちです。2015年9月に起こった常総市の大洪水は、死者を伴う大規模な被害をもたらしました。大雨による河川の増水はこうしたリスクがあることを認識し、ハザードマップで自分が住んでいる地域が大雨や洪水の被害想定区域に指定されているかどうかを確認しておきましょう。
また、増水した河川は水の流れが速く、とても危険です。濁流に飲み込まれて命を落とす危険もありますので、大雨が降っている日・大雨が降ってから数日は、河川に近寄らないようにしましょう。
土砂災害
土砂災害は大雨が原因で発生することがあります。梅雨の時期は梅雨前線が停滞することから、過去に何度も土砂災害が起こっています。
土砂災害から身を守るためにも、大雨が降っている時は気象庁が発令する「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。「土砂災害危険箇所・土砂災害警戒区域」などに住んでいる方は特に注意し、土砂災害警戒情報が発令された時は速やかな避難を開始してください。土砂災害警戒情報が発令されていない場合であっても、雨の降り方が普段よりも激しい時は、自主避難を開始することをおすすめします。
床上・床下浸水
床上浸水・床下浸水とは、河川の氾濫や下水道管・下水道施設のパンクにより、雨水や汚水が家の床の上(または床の下)まで浸水することを言います。床上・床下浸水ともに家屋へのダメージが大きいですし、水に浸かった家電が壊れたといった被害も報告されています。
大雨によって床上・床下浸水を起こしやすい地域に住んでいる場合は、日頃から土嚢などを用意しておく必要があります。浸水被害に気付いた場合は、浸水を最小限にとどめる行動を取りましょう。浸水箇所に土嚢を積む・貴重品を2階に持っていくといった行動が効果的であるとされています。
ライフラインへ・交通網への影響
大雨は停電や断水などライフラインにも影響を与えます。梅雨のじめじめした時期に停電や断水が起こると、エアコンなどの冷房器具が使えず、脱水症状や熱中症を発症する危険が高まります。こうした健康被害を予防するためにも、大雨の予報が出た時は、飲料水・食糧を備蓄しておきましょう。
大雨による電車の遅延・交通渋滞なども予測されますので、移動時は情報収集にも努めてください。車内で長時間待機しなければならないことも予測されますので、電車や車に乗る時は飲料水や簡易食糧をあらかじめ確保しておきましょう。
まとめ
・大雨による被害は「河川氾濫」「洪水」「土砂災害」「床上・床下浸水」「停電」「断水」など多方面に及ぶ
・大規模災害から身を守るためにも、自分が住んでいる地域が災害警戒区域に指定されていないか調べる
・警報が発令された時、雨の降り方が普段と違うと感じた時は、ためらわずに避難を開始する
・飲料水や食料を備蓄しておく