台風3号の通過した後、九州及び山陰地方で大雨が降り続いており、九州では、数十年に一度の大雨という#大雨特別警報が出されました。
未だに行方不明の方もおられ、自衛隊や消防そして警察による救助と捜索活動が続けられております。
一刻も早く見つかる事を願っております。
通常天気は西から東の方に移動していくと思われますが、なぜ一定の地域で大雨が降り続くのでしょうか。
簡単にまとめてみました。
梅雨前線と太平洋高気圧
梅雨前線とは夏に向かって勢力を強めて来る南の暖かい「太平洋高気圧」と北の気団の境目に出来るものです。
梅雨の季節、日本列島に停滞する事が多くなります。
この位置は地上天気図や高層天気図(500hp)の5880m等高度線で確認する事ができます。
「気象庁/高層天気図」を見ていただくと、今回大雨の集中している九州北部に位置している事がわかります。
太平洋高気圧の勢力によって梅雨前線の位置が南北に移動していきます。
この前線が位置している地方では天気の不安定な日が多くなり、前線上を低気圧が移動する時は更に悪天をもたらすようになります。
一定の地域で雨の降り続くわけ
暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁辺部を時計回りに回っているため、前線の位置している九州北部には、西寄りの湿った空気が次々と流入して山岳部に当たる事で上昇気流が発生します。このため、前線の停滞している同一地域で次々と積乱雲が発生して帯状に連なる事となります。
今回報道された「線状降水帯」と呼ばれるものが、これにあたります。
レーダーエコー合成図で見ると赤色の帯状に見え、あたかも人参のように見える事から「人参には注意!」と言われております。今回は更に強い紫色のエコーも存在しておりました。
豪雨災害から身を守るためには
大雨による水害を防ぐために、何が必要でしょか。
先ずは、ご自身の住んでいる場所がどの様な災害を受ける危険性があるのか普段から確認しておく事が重要です。
自治体の出しているハザードマップを参考にしながら、水害や土砂災害の危険性を確認しておく必要があります。
土のう等で対応が可能な状態であるのか、避難しなければ危険なのかを判断しなければなりません。
避難しなければ危険な状態であれば、早目に余裕を持って行動する事が必要です。避難の移動経路で冠水や崖崩れの場所があれば、避難する事も出来なくなってしまいます。
これからの季節、梅雨前線の活動は活発になり、併せて台風が発生すると台風本体の影響のみならず、前線に吹き込む台風周辺の湿った暖かな空気で大雨をもたらす事があります。
また、梅雨が明ければゲリラ豪雨も起こって直接の被害を受けたり、晴れている場所で川遊びをしていても、上流で大雨が降れば、急激に水かさが増える事があります。
水害に対する情報をしっかりと収集して、楽しい時間を過ごすようにしましょう。
まとめ
・梅雨前線が停滞している季節、吹き込みの風の影響で大雨が長期間続く事がある
・水害を防ぐためには、普段からの備えと早目の対処が重要
・晴れている場所でも上流の大雨で水害が起こる事がある