今年も大掃除のシーズンを迎え、掃除の計画を立てたりお掃除グッズを買いに行ったりし始めたのではないでしょうか。大掃除は日常生活ではあまり気にかけない場所に目を向ける絶好の機会です。それを利用し、今年の大掃除は防災対策も一緒に行ってみてはいかがでしょうか?そこで今回は、大掃除のついでにやっておきたい防災対策について4つご提案します。
家具の転倒防止対策
食器棚やタンスといった家具は、地震の際に倒れる危険性が高いことで知られています。東京消防庁の調査によると、過去の地震において約30パーセントから50パーセントの人が、家具の転倒によってケガをしていることがわかります。転倒した家具によって火災が生じたり、避難経路が塞がれたりする事例も報告されています。このような状況をふまえ、家具の転倒防止に特化した防災対策を講じましょう。
家具の転倒防止対策は数多くありますが、手軽に取り入れることができるのは「L字金具」「ポール」「耐震マット」です。L字金具は家具と壁とをネジで固定する方法です。耐震性に優れている一方で、壁や家具に強度が必要となります。ポールは家具と壁や天井との間に突っ張り棒状のポールを設置し、家具の転倒や移動を防ぐ方法です。耐震マットは両面粘着性のマットを家具に貼り付け、床と接着させる方法です。賃貸物件では原状回復を求められるため、ポールや耐震マットで家具を固定する方法が取り入れやすいでしょう。
ガラスに飛散防止フィルムを貼る
過去の大地震では、窓や棚などのガラスが落下し、割れる被害が報告されています。割れたガラスはケガや避難遅れの原因になるので、ガラスにも防災対策を施しましょう。
ガラスに防災対策を施す際は、飛散防止フィルムがオススメです。飛散防止フィルムとは、ガラスに直接貼りつける特殊フィルムのことです。製品によって性能に差がありますが、概ね「ガラスを割れにくくする」「ガラスが割れた時に破片が飛び散らないようにする」といった効果をもたらしてくれます。
飛散防止フィルムは、ガラス面が汚れているとうまく貼り付けることができません。ですから、窓や棚の汚れを落とす大掃除の時期は、フィルムを張り付けるのに適した時期と言えるでしょう。
棚の中身や上部を整理する
棚の中に物を詰め込んだり、タンスなどの大型家具の上に物を置いたりしていませんか?このような収納をしたままでいると、万が一地震が起こった時に、棚の中のものが飛び出す・落下することによってケガをする危険が高まります。災害時に思わぬケガをしないためにも、棚の中身や上部を整理整頓しましょう。
収納物の中でも、ガラス・陶器製品はケガのリスクを増大させます。リスク軽減のためにも、「食器は高い所に収納しない」「食器棚の中に滑り止めシートを貼る」といった防災対策を取り入れましょう。
備蓄・避難経路の確認
大掃除のついでに、備蓄してある防災グッズも確認しましょう。非常食や使い捨てカイロなどの発熱品には使用期限が設定されています。使用期限切れの防災グッズはいざという時に役に立たないだけでなく、ケガや病気を招くことがあります。ですから、大掃除の時期に見直し・廃棄・補充を行いましょう。
また、大掃除のついでに避難経路の確認を行っておくと安心です。自宅内では「避難を阻害する物や危険物を置いていないか」を確認しましょう。自宅外では「最寄りの避難所までのルートを確認する」「防災マップで危険な場所を確認し、近づかないようにする」といった確認が効果的です。
なお、備蓄の確認や避難経路の確認は習慣づけることも大事です。「毎年大掃除の時期に家族で行う」などのルールを作り、防災意識の向上にもつなげましょう。
まとめ
・大掃除のついでに取り入れたい防災対策は4つある
・転倒の危険がある家具を固定する
・窓ふきなどガラス掃除のついでに、飛散防止フィルムを貼る
・食器棚の中やタンスの上を整理し、食器や物の落下によるケガに備える
・防災グッズの使用期限や避難経路を確認する