今年ももう残りわずか。大掃除の季節です。普段はなかなかお掃除できない部分もキレイにするこの季節こそ、実は地震対策を行うのにもってこいなのをご存知ですか?大掃除のついでにできちゃう、なのに効果バツグンな地震対策法をお伝えします。
大型家具の固定、この機会にぜひ!
普段はなかなか手の届かない部分も、大掃除の際にはきれいにするという方も多いですよね。特に、背の高い家具や冷蔵庫などの上は、普段はなかなかお手入れしにくいものです。
家具の固定が億劫なのも、実は理由は同じ。
なかなか手が届かない、やり方がよくわからない、面倒…
年に1回は大掃除で手をかける部分ですので、この機会に家具の固定も一緒に済ませてしまいましょう。
特に、固定の優先順位の高いものは、「寝室にある大型家具」と「冷蔵庫」の2つです。家じゅうの家具を固定するのは大変な労力を必要としますので、まずは、命を守るために最優先の家具のみを固定していくようにしましょう。
「寝室にある大型家具」は、就寝中、倒れて人間を直撃しないようにするために固定します。そのため、固定をする前に、「倒れても直撃しない位置に配置換え」することをお勧めします。
配置換えが難しい場合は、家具の頂部と壁をしっかり固定しましょう。固定方法は数多くありますが、詳しくはこちらの記事(防仁学記事:「地震に備えて家具を固定するために どんな固定法があって、どれを使えばいいの?」)をご覧いただき、取り組みやすい方法で行うとよいでしょう。
「冷蔵庫」は、転倒するとキッチンからの脱出が困難になる場合があります。キッチンは危険要素が大変多く、大地震後は食糧の確保に大いに使える場所でもあります。冷蔵庫が転倒することで食糧が無駄になることも考えられますので、ぜひ、固定をお勧めします。
まずは、冷蔵庫下部のキャスターがしっかりとロックされているか、定期的に確認しましょう。そして、大掃除の際、冷蔵庫の上部と壁を、粘着系の固定器具などを利用して固定するとよいでしょう。
また、冷蔵庫メーカーでは固定用のベルトも取り扱っています。運搬用のフックにベルトを取り付け、壁にビス止めします。この方法は、壁の下地材にしっかり固定することが重要なので、建築の専門家(大工など)に施工してもらうほうが確実です。
固定するグッズは数多く市販されていますが、使い方を誤るとかえって危険になる場合もあります。しっかりと説明書を読み、正しく使うことを心がけましょう!
窓ガラス、磨くついでに飛散防止フィルムを!
窓ガラスのお掃除の際、二人で行うとスムーズなのが、「飛散防止フィルムの貼り付け」です。
窓ガラスは大地震の際に割れて、けがをする可能性があります。そのため、割れても周りに飛び散らない工夫が重要になります。その一つの方法として、飛散防止フィルムがあります。このフィルムはガラスに張ることで割れても飛び散らない、また、防犯上も非常に有効な優れものです。
フィルムは一人で貼ると、しわが寄ったりと難しい作業ですが、二人以上で行うことでよりやりやすくなります。冬休み・大掃除のこの機会に、ぜひ、行っておくと安心です。
キッチンを出来るだけ安全にするために
冷蔵庫をはじめ、キッチンの中は実は危険がたくさん潜んでいます。大地震時、冷蔵庫が転倒したり、食器棚から陶器が落ちてきたり、刃物が散乱してしまったり。このような可能性を少しでも減らしていくことが、被害を減らすことに直結します。
具体的な取り組み方をご紹介します。
・食器棚の扉には耐震ラッチ(揺れを感知して、扉をロックするもの)を取り付け、食器類の飛び出しを防ぐ。
・食器類の下には「すべり止めマット」を敷いて、食器の滑り出しを防ぐ。
・ガラス付きの扉には飛散防止フィルムを貼る。
・棚の上のほうに保管してある「重いもの(土鍋、圧力鍋、すり鉢など)」は下のほうに移動する。
・備蓄している食糧など、地震後も難なく取り出せる場所に!地震で物が散乱したり、家具が転倒して取り出せないという状況になりやすいため、キッチンの整理整頓が重要です。
大掃除の機会に、いらないものは処分し、保管場所を安全な場所に移動し、すっきりとしたキッチンで安全に過ごしていきましょう。
まとめ
・普段手の届かない家具の上を掃除するついでに、家具の固定を行おう
・寝室の大型家具と冷蔵庫は、固定の優先度が高い
・窓ガラスを磨いたら、ついでに飛散防止フィルムも貼ろう
・キッチンの整理整頓は、備蓄食料のためにもなる