みなさんは、嘔吐物の正しい処理方法についてご存知でしょうか。子育てをしていると特に、感染症に罹患した子供が嘔吐してしまうことが多々あります。もし吐いてしまったときは、子供は自分で嘔吐物を処理することができませんよね。そこで大人が間違った処理をしてしまうと、二次感染のリスクが高まり危険です。看病する側が感染し、倒れてしまうのは避けたいところ。感染力が強いものほど、気をつけなければなりません。
今回は、嘔吐物の正しい処理方法をご紹介いたします。
嘔吐物の処理による二次感染

嘔吐物は、目に見える場所だけにあるわけではありません。実は、広範囲にわたって拡散しているのです。処理するときは、嘔吐物があるところだけではなくさらに広範囲を除菌するようにしましょう。
他にも、処理した人から感染が広がることがあります。例えば素手で嘔吐物を触ってしまい、菌を周囲にまき散らしたり、嘔吐物の飛沫が髪や皮膚、衣服に付着してそこからさらに飛散。または鼻や口から飛沫を吸い込み、感染することもあるでしょう。
感染力が強い病気に罹ったときこそ、処理する側は細心の注意を払わなければならないのです。
嘔吐物の処理方法

嘔吐したら、すぐに処理することが必要です。嘔吐物は乾燥すると粉塵となり、さらに周囲に拡散されることになるので早めの処理が肝心なのです。処理中は、十分に換気することも忘れないでくださいね。
嘔吐物の消毒に使う次亜塩素酸ナトリウムの濃度は0.1%。濃度が薄いと効果を発揮しないので注意します。使うときは、ペットボトルのキャップで2杯の量を500mlの水に薄めます。薄めた漂白剤はその都度作り、作り置きは避けます。時間の経過と共に、除菌効果が得られなくなってしまうからです。薄めずにそのまま使用できるタイプの漂白剤もあるので、作るのが大変だという方は検討してみるといいかもしれません。
それでは嘔吐物の処理方法についてですが、床に嘔吐した場合はまずマスク、手袋、エプロンをつけます。手袋は二重にしておくといいでしょう。
次に、嘔吐物にペーパータオルや新聞紙をかぶせ、適切な濃度に薄めた次亜塩素酸ナトリウムをかけます。新しくペーパータオルを使い、外側から嘔吐物を取り除き、外側の手袋と一緒にビニール袋に入れて口を閉めましょう。ビニール袋には、薄めた次亜塩素酸ナトリウムを入れておきます。
最後に、嘔吐した場所にペーパータオルを敷いて再度、次亜塩素酸ナトリウムをかけて10分程度置き、消毒しましょう。時間が経ったらペーパータオルを外側から取り除き、水拭きして終了です。使用した道具と消毒用のペーパータオルをビニール袋に入れ、口を閉めます。処理したあとは手洗い、うがいを徹底しましょう。
衣類やカーペットなどに嘔吐した場合も、床の処理と同じように処理します。消毒は0.02%に薄めた次亜塩素酸ナトリウム(ペットボトルのキャップの半分の量を500mlの水に薄める)を使用します。感染拡大を防ぐために、衣類を洗うときは他のものと分けましょうね。
突然の嘔吐に備えて、処理する道具を一式まとめておくこともおすすめです。使い捨ての帽子やマスク、手袋(2セット)、エプロンなど身にまとうもの。他にもビニール袋やペーパータオル、次亜塩素酸ナトリウムなどをバケツに入れて保管します。ペーパータオル以外に、新聞紙もあると便利です。道具が一式揃っていると、早朝や深夜の嘔吐にも対応できます。
二次感染を防ぐためにも、自分の身を守りながら嘔吐物は正しく処理しましょう。
まとめ
・嘔吐物は広範囲に広がっている
・嘔吐物が乾燥すると周囲に拡散するので直ちに処理をする
・漂白剤は適切な濃度で使い、毎回新しく作る
・道具は一式揃えてまとめて保管するといい
参考サイト
◆花王プロフェッショナル・サービス株式会社「いざという時のために万全な準備を」
◆神奈川県 厚木保健福祉事務所「汚物処理・消毒のポイント」
◆ライオンハイジーン株式会社「汚物・嘔吐物処理」