2016年8月9日ころから9月7日に掛けて関西国際空港で38名の方が「はしか」に感染していた事が確認されました。
33人は空港の従業員との事ですが、医療関係者2名と空港の利用客3名も感染しており、付近の商業施設を利用していた方にも感染してウィルスが広まっています。
一日も早く患者の方々が回復される事と、はしかの流行が収束する事を祈ります。
さて、海外から持ち込まれた感染症はどの様にして流行していくのでしょうか?
「パンデミック」の仕組みに関して調べました。
パンデミックとは?
世界中で感染症が流行する事
海外から感染症が入って来た際に「パンデミック」という単語を耳にする事があります。
もともとはギリシア語で「全ての人々」を指す言葉から変化して「流行」「流行病」という意味です。
パンデミックは流行の中でももっとも規模の大きいもので、世界中で流行っている状態を指し、感染能力が強い病原体で発生し易くなります。
今回日本で感染が拡大した「はしか」も感染力の強い病気のひとつです。
記録が残っているもので過去に一番流行した病気は1918年から1919年の間に流行った「スペイン風邪」と言われています。
インフルエンザがアメリカから流行した事で起きたのが「スペイン風邪」ですが、第一次世界大戦の中立国であるスペインからニュースが流されたのでこの名前になりました。
感染者は全世界で5億人に及んだと言われており、死者も2万5千人以上だったとされています。
このようにパンデミックが発生すると、世界規模の大きな被害が出てしまう恐れがあるのです。
どの様にして広がるのか?
人から人へと広まっていく
パンデミックを起こす感染症は、くしゃみで飛ぶ唾液からの感染(飛沫感染)や傷から流れた血液から感染するといった、人同士が触れ合っていなくてもうつる病原体が感染原因となる事が多いです。
関西国際空港で感染が拡大した「はしか」の原因となる麻疹ウィルスも、空気中をウィルスが移動する「空気感染」や「接触感染」を起こすため、流行を防ぐのが難しい病気のひとつです。
空港の様な不特定多数の人が行き交う環境では、別の国から持ち込まれた病原菌が地元に住む職員や他の国へ旅行する人へ感染するリスクが高い場所です。
そういった場所で感染した人から2次的・3次的な感染が起こり、病気は流行していきます。
1人の感染者が2人に接触すれば、そこから4人・・・8人と二乗して増えていくのです。
感染症の脅威を防ぐため、空港では入国時に感染症の検査を行い、患者の方々から事情を伺って感染源が何処にあるかを特定する様に努力しています。
時には鳥や豚といった野生の動物や家畜が病原体の宿り主となる事もあります。
感染症の流行が確認された時は、感染を防ぐために不要な外出を避けてマスクやうがい手洗いといった感染症対策をしっかり行い、流行っているとされる病気に近い症状が出たら早めに病院へ行きましょう。
パンデミックを防ぐには、ひとりひとりが感染を防ぐ努力を心がける事が重要なのです。
まとめ
- パンデミックとは世界的に同じ病気が流行する事を言う
- 感染力の強い病気が流行りやすい
- ひとりひとりが予防を心がける事で、パンデミックを防ぐ事が出来る