車のパワーウインドウによる子どもの挟まれ事故が増加しています。パワーウインドウはスイッチひとつで窓を開閉することができるので、子どもも簡単に操作可能ですよね。自動で開閉する窓は、子どもの好奇心をくすぐるもの。遊び道具として、魅力的に思えてしまいます。すると、子どもは保護者の監視が行き届かない時に操作をしてしまうことがあるので、挟まり事故が起きてしまうのです。
他にも、保護者の不注意による子どもの事故も起きています。パワーウインドウは、大根を切断するほど威力があります。そこに挟まれるとどのくらい危険なのか容易に想像できますよね。
今回は、パワーウインドウによる子どもの事故を防ぐ方法についてご紹介いたします。
パワーウインドウによる事故の危険性

パワーウインドウの事故では、子どもの手や首が挟まるケースが多いでしょう。子どもがスイッチを操作して挟まれる事故や、大人が子どもの行動に気がつかずパワーウインドウを操作してしまい、事故が起きたケースもあります。事故によっては、指を骨折したり切断する重傷のケースや首を挟まれて意識不明の重態をなるケースもあり、大変危険です。
パワーウインドウの威力はどれほどなのか気にところですよね。JAFでは、パワーウインドウの閉まる力をテストしています。窓に大根やゴボウを置いてパワーウインドウを操作したところ、2つとも簡単に切断されることが判明しました。
もしこれが子どもの手や首だったらと思うと、どれだけ危険なものか分かりますよね。
次に、パワーウインドウが作動しているときに手で窓を止めることができるのかという実験です。8歳男児、30代女性、50代男性でそれぞれテストしたところ、50代男性のみ片手でも窓を止めることができました。30代女性は、両手を使えば窓を止めることができましたが、8歳男児は両手でも窓を止めることができませんでした。
パワーウインドウには、大根やゴボウを切断するほどの威力があるので、子どもが窓を止めることは無理と言えるでしょう。
最近では、車の窓に挟み込み防止機能が付いている車が多いのですが、全部の窓に機能が備わっているわけではないようです。また、防止装置が備わっていても確実に作動するとは限りません。JAFが、窓に割りばしを挟めてテストをしたところ、挟み込み防止機能は働かずに挟まれてしまったからです。子どもの細い指であれば、機能が働かない可能性があることが推測できますよね。
事実、国民生活センターの危害情報システムには、2005~2009年までの間に、挟み込み防止機能が働かずに子どもがケガをしたという相談が23件寄せられています。機能が装置されているからといって、安心できないのかもしれません。装置に頼るのではなく、事故を防ぐための対策が求められるのです。
事故を防ぐための対策とは

事故を防ぐ為に最も大切なのは、子どもにパワーウインドウの操作をさせないようにすることです。操作できないように、スイッチをロックにすることも忘れてはいけません。
また、6歳未満の子どもを乗せるときは、チャイルドシートに乗せることを徹底します。チャイルドシートに正しく乗せると、ほとんどの場合は子どもは窓の上に手が届ないからです。
車の中に、子どもだけで待機させないことも必要です。ほんの少しだから…と、エンジンをかけた状態で、車の中に子どもを待機させて用足しをする人がいます。すると、子どもはここぞとばかりにパワーウインドウを操作することがあり、危険です。大人の油断が子どもの命を危険にさらしていることを忘れてはいけません。
それから先述の通り、大人が何気なくパワーウインドウを操作したことで、子どもが挟まれる事故も発生しています。窓を開閉するときは、子どもに声をかけてから操作するようにしましょう。
パワーウインドウによる挟まれ事故は、ほんの少しの心掛けで防ぐことができます。大人の油断で子どもが傷つくことがないようにしたいところです。
まとめ
・パワーウインドウは根菜を切断するくらいの威力がある
・挟み込み防止装置が作動しないケースもある
・子どもに開閉の操作をさせないこと、チャイルドシートに乗せることが事故対策になる
・大人が操作するときは子どもに声をかけてからにする
参考サイト
◆国民生活センター「パワーウインドウの安全性」
◆政府広報オンライン「子どもがパワーウインドウに
挟まれる事故に注意!」
◆JAF「パワーウィンドウの挟み込み」