夏の代名詞でもある雷は、死亡事故や火災の原因となることをご存知でしょうか。気象庁の統計によると、落雷による被害は梅雨が始まる6月から増加し始め、8月にピークを迎えることがわかります。落雷による被害が増加するこれからの時期に向けて、落雷被害への理解を深めると同時に雷から命や生活を守るための方法を学んでおきませんか?
落雷による被害とは?
雷は雲と地上の間・雲と雲の間で起こる放電現象のことであり、雲と地上の間で発生する放電現象を「対地放電=落雷」と呼んでいます。落雷は雲と地上の間で発生することから、我々の生活に様々な被害を与えることがわかっています。
①人的被害
落雷は大量の電圧と電流を帯びていることから、人間が落雷に打たれると死亡したり怪我をしたりすることがあります。警察庁の統計資料(災害事故発生状況の推移 平成17年~21年)によると、落雷事故の発生件数は年々少なくなっているものの、死亡者・負傷者ともに毎年数名~数十名程度の被害が出ていることがわかります。落雷による命の危機はとても身近にあると言えるでしょう。
雷は高いところに落ちる性質があります。周囲に全く何もない場所では、人に直撃する可能性が無いとは言えません。雷が発生した時はすぐに建物や乗り物の中に避難しましょう。建物や乗り物などの避難場所が近くに無い場合は、しゃがんでなるべく身を低くしましょう。周囲に、現在いる場所よりも低い場所がある時は、しゃがんだままその低い場所まで移動しましょう。また、雷は尖ったものに落ちる性質も持ち合わせています。傘・ゴルフクラブ・釣竿などは雷が落ちやすいため、すぐに手放しましょう。
雷が発生した時に木の下に避難する方法がありますが、こうした避難方法には注意が必要です。落雷による死傷事故は直撃だけではなく、落ちた雷が地面や周囲の物を伝わって人に感電する「側撃」でも発生しています。雷が木に落ちた場合、木の根元付近に避難をしていると側撃による被害を受けることがあります。木の下に避難する場合は根元から1~2メートル程度離れるようにしましょう。
落雷による人的被害は、登山・キャンプ・海水浴・ゴルフ・フィールドスポーツ・野外コンサートなど野外レジャーだけでなく、部活動、農作業など日常生活の合間にも発生しています。落雷が発生した時はただちに避難を開始するとともに、日頃から天気予報等で落雷の情報をこまめにチェックしておきましょう。
②物的被害
落雷は人命以外にも様々な被害をもたらします。最も注意すべきは火災です。落雷による火災は建物に雷が直接落ちたときだけでなく、電線などを通じて大量の電流が建物に流れ込んだ時にも発生します。落雷による火災を防ぐためにも、使わない電化製品はコンセントを抜いておくようにしましょう。
落雷は電子機器や家電にも影響を与えます。電子機器や家電をコンセントに接続したままにしておくと、落雷によって生じた大量の電圧・電流が逆流し、電子機器や家電をショートさせてしまいます。こうした被害を事前に防ぐためにも、雷が発生している時は電子機器・家電のコンセントを抜いておきましょう。この他にも落雷から電化製品を守ってくれる雷サージタップの導入なども検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・落雷が発生した時は建物の中に避難する
・先が尖っているものはすぐに手放す
・木陰に避難する時は、側撃に注意する
・外で活動する時は、落雷情報をチェックする
・落雷は火災や電化製品が壊れる原因となるため、雷が発生した時は電源コードを抜く