夏日を観測する日が続き、エアコンや扇風機などの冷房器具が恋しくなる時期がやってきました。冷房器具は夏を乗り切る強い味方である一方で、使い方やメンテナンス方法を間違えると、思わぬ事故につながります。
冷房器具を快適に使用するためにも、冷房器具で起こりがちな事故について理解を深めるとともに、事故防止のための方法について学んでみましょう。
使う前に器具の状態を確認する
突然暑くなり、慌てて冷房器具を使用した経験はありませんか?冷房器具の状態を十分に確認しないまま使用する行為は、火災のリスクを高めます。
冷房器具を使用する際は、使う前に必ず電源コードの状態を確認してください。電源コードが劣化・摩耗していると、そこから火災が発生する場合があります。「コードが痛んでいないか・切れていないか」をしっかり確認しましょう。また、電源プラグにホコリがたまったまま使用すると、使用中にプラグ付近から発火することがあります。長期間使用していなかった冷房器具の電源プラグにはホコリがたまりがちです。使用間に乾いた布を使ってホコリを取り除いておきましょう。
冷房器具を使用する際は、機器本体の状態も確認してください。扇風機は「羽にひび割れがないか」「配線がむき出しになっていないか」「高さ調節・首振り機能などが問題なく使えるか」といったポイントを確認しましょう。エアコンを使用する時は室外機の状態も確認してください。室外機に小動物や虫が侵入していると火災を起こすことがあります。
エアコン掃除を行う時の注意点
ハイシーズンの本格的使用を前に、エアコンの掃除をする方も多いでしょう。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、エアコンによる火災事故の原因の1つに「エアコンを洗浄する時に洗浄液が機器内部に侵入してトラッキング現象が発生」することを上げています。
エアコンの内部には電源配線や電源部品が多数存在しています。こうした電源機器に洗浄液が付着すると電流が流れやすくなり、発熱・発火しやすくなるのです。エアコン内部を掃除する時は、取扱説明書をよく読んでから行うようにしましょう。心配な場合はプロに任せるのも1つの方法です。
扇風機の経年劣化による事故を防止しよう
扇風機は使用時期が限られることから、頻繁に買い替える家電ではありませんよね。ところが経年劣化した扇風機は事故が頻発しているので注意が必要です。NITEの調査によると、平成23年度~平成27年度に発生した扇風機事故は272件にのぼり、その多くが長期間使用によって劣化した扇風機による火災事故であることがわかります。
製造から10年以上経過した扇風機は経年劣化している可能性があります。「電源を入れても羽が回らない」「羽の回り方がおかしい」「異音・異臭がする」「羽やガードに大きな傷・ひび割れがある」といった具体的な症状がある場合は事故につながる可能性が高いため、使用を控えるようにしましょう。
扇風機には長期使用製品安全表示制度という制度が設けられています。扇風機の経年劣化による事故を防ぐためにも、器具に表示されている「製造年」と「設計上の標準試用期間」を確認しましょう。
まとめ
・冷房器具を使用する時は、器具の状態を丁寧に確認する
・エアコン掃除をする時は、洗浄液が内部にまでかからないようにする
・扇風機の経年劣化に注意する